【うつ病で手取り10万円】これ以上収入を増やせないので「生活保護」を申請してもいいですか?

生活保護の受給条件とは?

厚生労働省「生活保護制度 生活保護制度の概要」の内容を基に生活保護を受けられる人の条件をご紹介します。

__●不動産・自動車・預貯金などのうち、ただちに活用できる資産がない
●就労できない、又は就労していても必要な生活費を得られない
●年金・手当などの社会保障給付を活用しても必要な生活費を得られない__

なお、扶養義務者がいない、または扶養義務者からの扶養を受けられない方も生活保護受給の対象になるようです。

また、生活保護法第二条に「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」とあります。生活保護を受給するにあたって年齢の制限があるか疑問に思う方もいるかもしれませんが、生活保護法第二条により年齢制限はないと考えていいでしょう。

働いていて収入があっても申請はできる?

生活保護の受給条件にあるように、生活保護は働いていても最低限度の生活に必要な収入を得られなければ申請可能です。

最低限度の生活に必要な費用のことを「最低生活費」といい、住んでいる地域や家族の人数、年齢などによって決まります。

各地域の等級は厚生労働省のホームページに掲載されています。自分が住んでいる地域はどの等級に該当するのか確認しましょう。

例として、東京都の場合だと、23区は「1級地‐1」、青梅市は「1級地‐2」、西多摩郡は「3級地‐1」となっています。

生活保護の保護費はどうやって計算する?

生活保護の保護費は、厚生労働省が公開している「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法」から計算します。等級や年齢、家族の人数を照らし合わせて生活扶助基準を計算し、加算額、住宅扶助基準、教育扶助基準・高等学校等就学費、介護扶助基準、医療扶助基準を合計して最低生活費を算出していきましょう。

算出した最低生活費から収入を差し引いた額が、保護費として支給されます。

うつ病で働く時間が短くなっていても生活保護は受給できる?

うつ病により長い時間働けなくなり、収入が減ってしまった人も、条件を満たしていれば生活保護を受給できる可能性があります。

生活保護制度では、稼働能力の活用について「働ける能力があるか」「働く意思があるか」「働ける状況であるか」で判断することとされています。

うつ病と診断された場合は「稼働能力が十分ではない」と判断される可能性があるでしょう。

ただし、うつ病により収入が減ってしまったときは、労災保険や傷病手当などの制度を利用できることもあります。そのため、まずは手当や保険を優先して活用し、それでも収入が最低生活費を下回っているときは、生活保護の申請を検討しましょう。

収入が最低生活費を下回っていれば申請できる可能性がある

生活保護制度は、働いていても収入が最低生活費より少なければ利用できる可能性があります。

うつ病が原因で働く時間が短くなり「収入が手取り10万円しかない」という今回の事例では、まず自分の最低生活費がいくらなのかを計算し、収入がその金額を下回っているかどうかを確認しましょう。

また、ほかに活用できる制度があれば優先し、そのうえで生活保護を申請すべきか決める必要があります。

出典

[厚生労働省 生活保護制度
生活保護制度の概要](https://www.mhlw.go.jp/content/000988958.pdf)
お住まいの地域の級地を確認
生活扶助基準額について 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)
デジタル庁 e-GOV法令検索 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号) 第二条

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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