フランス、PE・銀行誘致法案 解雇手当削減盛り込む

Leigh Thomas Mathieu Rosemain

[パリ 11日 ロイター] - フランスで11日、プライベートエクイティ(PE)ファンドの上場企業投資を促す法案が公表された。金融機関がトレーダーの解雇手当を削減できる条項も盛り込まれている。

与党議員が明らかにした。金融機関を誘致する取り組みの一環。法案は来月、議会に提出される。

フランスは英国の欧州連合(EU)離脱決定後、高給の金融分野の雇用創出を目指しており、法案によると、2017─22年にこの分野で7000人以上の雇用を創出した。

バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン、モルガン・スタンレー、バークレイズなど米欧の銀行がフランスで人員を拡大している。

フランスは法律で従業員を手厚く保護する傾向が強いが、今回の法案では例外的に高給のトレーダーを解雇する際に銀行が解雇手当を減らせる条項を盛り込んでいる。

業界関係者によると、一部の米銀は、解雇手当のコストを踏まえるとパリで幹部クラスの人材を増やしづらいと主張。例外規定を求めていた。

ただ、フランス憲法の平等原則に反すると判断される可能性があり、一部の銀行関係者は最終的な法案には盛り込まれないのではないかと指摘している。

PEファンドについては、投資を認めるフランス企業の時価総額の上限を現在の1億5000万ユーロから5億ユーロ(5億4700万ドル)に引き上げる。これにより、投資可能な企業が88社増える可能性があるという。

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