愛猫が『飼い主さんを他者と区別する』3つの方法 マスクで顔を隠していてもわかる?

猫が飼い主を見分ける方法3つ

猫が飼い主さんを見分ける方法は、主に以下の3つが挙げられます。

1.嗅覚

猫は犬ほどではないにせよ、非常に発達した嗅覚を持っています。その能力は人間の1万~10万倍と言われているほど。苦手なにおいもあれば、敏感に反応するにおいもあるようです。

そして猫はその鋭い嗅覚を使って、飼い主の体臭や使用する化粧品や石鹸のにおいなど、飼い主を判別するための「大切な情報源」を嗅ぎ取ります。

こうした日頃馴染みのある「飼い主特有のにおい」を把握することで、他の人間と区別することができるのです。

例えば家に馴染みのない他人のにおいがすると、猫は警戒心を抱いたり不安げな様子を見せたりすることがあります。この行動からも、猫がにおいで人間を判別していることがうかがえます。

2.聴覚

猫にとって聴覚は嗅覚と同様に重要な情報収集手段であり、飼い主を判別する際にも大切な役割を果たすものです。

猫の耳は人間の耳よりも可動域は広く、音自体も25ヘルツ~10万ヘルツと幅広い音を聞き分けられるといわれています。この数字を聞いてもピンと来ないかもしれませんが、聴覚は人の3倍以上あるもの!と覚えておいてください。

猫は優れた聴覚を使って、玄関の鍵の音やドアの開け閉めする音、足音や声の大きさや話し方の調子など、飼い主独特の音を聴き分けます。

とくに飼い主の「声」に関しては人それぞれの個人差がはっきり出るようで、猫は「声」のみで飼い主と他の人間を区別できるのだとか。飼い主と別の人が猫の名前を呼ぶと、飼い主の呼びかけにだけ反応したという実験結果もあります。

3.視覚

猫の視力は約0.1~0.2ほどしかなく、全体的にぼやけているといわれています。そのためまったく視力を使っていないことはありませんが、人間のように外部の情報を収集するには、「視覚」はあまり有効的な手段とはいえません。

しかし猫の動体視力は人間の4倍程度とされ、動くものを見ることは得意です。

この猫ならではの鋭い動体視力を活かし、飼い主ならではの身振り手振りなどの情報から「そこにいるもの」が飼い主か他人であるかを見分けていることも考えられます。

とはいえ通常の視力は非常に弱く、色も人間のように見えているわけではありません(猫は赤と緑が見えないといわれています)。

したがって猫が飼い主を見分けるのに、マスク着用の有無はとくに関係はないと思っていいでしょう。

猫に「飼い主」として覚えてもらうためには?

猫と一緒に暮らしていても「この子は自分を飼い主と認識しているのか微妙だ」と感じる人もいるかもしれません。

もしそんな不安がある人は、次のようなことを実践して猫に「飼い主」だと認識してもらえるようにしましょう!

名前を呼ぶ

猫は自分や家族の名前を覚えることができます。そのため生活のなかでは、なるべくたくさん名前を呼んであげましょう。

名前を呼ぶときは優しくはっきりとした声で、顔を見ながら呼んであげるのがベター。名前を呼んでからごはんを与えたり、遊んであげたりすると、名前と良いことが結びついてより覚えやすくなります。

また飼い主の「声」として覚えてもらうのにも、有効的です。

遊びを通してコミュニケーションを取る

猫は飼い主と遊ぶのが大好きです。一緒に遊ぶ時間を作り、猫じゃらしやおもちゃを使って積極的に遊びましょう。

猫が「喜ぶ遊び」を見つけてたくさん遊んであげると、飼い主との楽しい思い出が増えて信頼関係を築くことができます。

スキンシップを取る

猫は撫でられるのが好きな猫とそうでない猫がいますが、もし猫が嫌がらない様子であれば、優しく撫でたりしてスキンシップをとるのもOK。

猫の好きな場所を撫でてあげると、リラックスして気持ちよくなります。

猫のペースに合わせる

猫はマイペースで愛情の伝え方もさまざま。よく猫の行動を観察して何を伝えようとしているのかを理解し、それに応じて接してあげましょう。

たとえば猫が喉をゴロゴロ鳴らしているときは「安心」「心地よい」サインなので、スキンシップを喜びますし、反対にこっちを見ても知らんぷりのときは構わないのがベストです。

まとめ

猫は嗅覚・視覚・聴覚などの複数の感覚を使って飼い主さんを判別しています。 これらの感覚情報は、猫にとって飼い主さんを特定するための重要な手がかりなのです。

つまり猫が飼い主の声やにおいを把握していれば、マスクの有無に関わらず飼い主を判別することができます。

日ごろから猫に話しかけてみたり、猫が落ち着くにおいをまとってみたり(飼い主の自然なにおい。柑橘系のにおいはNG)して、猫に自分の「感覚的な情報」を覚えてもらうといいでしょう。

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