元F1世界チャンピオン「セバスチャン・ベッテル」の昆虫ホテル、鈴鹿サーキットから岡山へ/岡山・鏡野町

世界的に有名な元F1レーサーのセバスチャン・ベッテルが、生物多様性への関心を高めることを目的に立ち上げたプロジェクト『Buzzin’Corner』の一環で鈴鹿サーキット=三重県鈴鹿市=に設置していた昆虫の隠れ家となる「昆虫ホテル」を、12日山田養蜂場=岡山県苫田郡鏡野町=に8基寄贈し、式典が行われた。設置場所は関連会社が管理する山田みつばち農園。

昨年9月、ベッテルは、生物多様性の減少という世界的な環境問題に対しての取り組みとして、昆虫ホテル11基を鈴鹿サーキットに設置。昆虫を代表する大使としてミツバチを選び、木製の屋根を黒と黄色にペイントし、それに合わせ、サーキットのターン2の縁石も黒と黄色になっていた。

鈴鹿サーキットにあった昆虫ホテル「©OREL-COMMUNICATION.COM / V5 PROJECTS」

今回、ベッテルは昆虫ホテルを半永久的に設置する最適な場所を探す中で、環境保護団体グリーンピースに相談したところ、同社が養蜂業を営みながら自然環境保護活動を積極的に行っていることや、同農園がいちご狩りやうさぎ、ヒツジといった動物にもふれることができる観光施設である点から生物多様性の問題を多くの人に知ってもらえると期待し、寄贈の依頼をかけた。

ベッテルは式内でのメッセージで「最高の拠点をあたえてくれたことに感謝します。将来、岡山の昆虫ホテルを訪れることを楽しみにしています」と話した。

山田養蜂場山田紘子取締役執行役員は「養蜂という仕事はミツバチの受粉行為を通じて、生態系を維持している職業です。自然環境と共生しています。昆虫ホテルを多くの人に見ていただき、生物多様性について知っていただき、花粉媒体昆虫の保全や研究にもいかしていきたいと思います」と感謝を述べた。

寄贈された昆虫ホテルは木製で、高さ155cm、幅123cm 、奥行79.8cm。隙間に竹筒や木片を敷き詰め、てんとう虫やカタツムリなどが棲みつき、多様な昆虫の生態を学ぶことが期待できる。

昆虫ホテルに竹筒などを入れるブリッタ・ロースケさん(手前)

式典の出席者はセバスチャン・ベッテルの担当コミュニケーション&マーケティング・ディレクターのブリッタ・ロースケさん、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの吉野良子渉外担当マネージャー、株式会社山田養蜂所山田紘子取締役執行役員、株式会社山田みつばち農園由村公彦専務取締役執行役員。

昆虫ホテル寄贈式(左から=由村公彦さん、ブリッタ・ロースケさん、山田紘子さん、吉野良子さん)

セバスチャン・ベッテル プロフィール

ドイツ出身の元F1ドライバー。2010年、2011年、2012年、2013年のF1ドライバーズチャンピオン・史上最年少ドライバーズチャンピオン・史上最年少優勝をはじめ、F1において数々の最年少記録を樹立。

セバスチャン・ベッテル氏のメッセージ動画

© 津山朝日新聞社