「役者に戻ろうとは考えていない」俳優・村杉蝉之介被告、法廷で謝罪 麻薬特例法違反などの罪 あまちゃん、大河ドラマなど出演

大麻などの規制薬物を譲り受けた麻薬特例法違反などの罪に問われている俳優・村杉蝉之介(せみのすけ)被告(58)の裁判が12日に開かれ、村杉被告は「人と会うことがストレスだった」と薬物を使った理由を明かしました。

麻薬特例法違反と薬機法違反の罪に問われているのは、東京都の俳優・村杉蝉之介(本名・村杉友一)被告(58)です。

起訴状によりますと、村杉被告は2022年11月から23年1月ごろまでの間、4回にわたり、鹿児島県内からMDMAや大麻などの規制薬物を計18万1500円で購入し、自宅に送らせたほか、23年11月、自宅で大麻が含まれた液体、いわゆる「大麻リキッド」を、大麻とは認識せずに所持したなどとされています。

12日、福島地裁で開かれた初公判で、冒頭、裁判官に職業を聞かれた村杉被告は「11月まで俳優をしていました」と答えました。現在の仕事は「特にしていません」と話し、無職ということかと問われると「はい」と答えました。

「人と会うことがストレス」薬物使うと高揚感

村杉被告は起訴内容について「間違いありません」と認めました。

薬物に手を染めた理由については「お酒が飲めず、人と会うことがストレスだった。仕事に行っても他人と話すことが苦手で、普段汗をかかないが、人と話す時に汗が出た。薬物を使うと高揚感で、気持ちが楽になった。ストレス解消になった」などと話しました。

また、弁護人から役者の仕事はどうするか問われると「人前に立てるとは思っていない。役者に戻ろうとは考えていません」と答えました。

そして「本当にこのような事件を起こしてしまい、私1人のせいで(所属する)大人計画のみなさんや家族、みんなを傷つけてしまって、償っても償い切れない。一生、自分は悪いことをした、申し訳ないことをしたという気持ちを忘れずに生きていきたい。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪しました。

裁判は12日に結審し、検察は「常習性、依存性は根深い」などとして懲役10か月を求刑しました。一方、弁護側は、芸能活動を絶っていることや医師の治療を受けていることなどから情状酌量を求めました。

判決は、3月27日に言い渡されます。

鹿児島県の密売人捜査中に浮上

村杉被告は、これまでに「池袋ウエストゲートパーク」や「あまちゃん」、「家政夫のミタゾノ」、大河ドラマ「どうする家康」などに出演しました。また、パンクコントバンド「グループ魂」では『バイト君』の名でリーダーを担当。2005年の紅白歌合戦に出場しました。

この事件をめぐっては、鹿児島県の密売人から薬物を購入した人物の中に福島県内の人物が含まれていたため、福島県警が鹿児島県警と共同捜査を行う中で、村杉被告の犯行が浮上しました。

© 株式会社テレビユー福島