地元での復帰レースに佐藤悠基「不安ない状態でスタートラインに立てる」 37歳レジェンドがあす10日、5年ぶりの静岡マラソンに出場

《静岡マラソン・10日午前8時20分号砲》

5000mと10000mで2012年のロンドン五輪に出場し、フルマラソン挑戦後の2022年の東京マラソンで2時間8分17秒のタイムを持つ佐藤悠基(37=SGホールディングス)が10日、地元で開催される静岡マラソンに招待選手として出場する。去年9月右ひざの手術をし本格復帰に向けたトレーニングに励む段階でのフルマラソン挑戦、再び自己ベストを更新するため、佐藤が地元でのマラソンで「新しい自分」を作るきっかけをつかむ。

大会前日の9日、静岡市内で取材に応じた佐藤は、「初めての長期離脱、手術をして復帰を目指す中で4月末あたりにレースを走れたらと思っていた。今回静岡マラソンを走ることになって、この大会で1つの形にできるようにと目標にしてやってこられた。ここ2、3週間はいい状態で練習を積めている」と、順調に調整をつめていることを明かした。トラックのスペシャリストからマラソンに挑み、35歳で自己ベストを更新。それでも右膝に激痛が襲い、半月板にメスを入れたのが去年9月。「早く手術して早く復帰する」そこからリハビリに励み、2月は宮崎県で10日の合宿に臨み、いい感覚をつかめている。35km走も経験したが、42.195kmは復帰後の練習でもまだ走っていない距離。それを実際のレースに選ぶのが佐藤悠基流だ。「復帰に向けた過程で、本番のレースで身体にいい刺激を与えたい。そこで身体がどう変化していくかが楽しみ。けがで去年までの自分はなくなったと思っている、新しい自分を作っていく」
先頭集団についていき無理して優勝を争うタイムを刻むのではなく、あくまで練習の一環で、自分のペースを貫く方針だ。
清水町出身で、静岡市は静岡マラソンの前身・静岡駿府マラソンで中学時代に走り5km15分24秒で大会記録を作った思い出の地。「久しぶりに静岡で走るので、折り返しのポイントなどで一般ランナーともすれ違う。大会を盛り上げられたら」と佐藤。37歳のレジェンドが静岡マラソンをきっかけに再びスタートラインに立つ。

(静岡朝日テレビアナウンサー・片山真人)

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