「ダイゼンの魔法の瞬間が試合を救う」 節目の一戦でハットトリック達成の前田大然、最高殊勲者として現地メディアから賛辞!

現地時間3月10日に行なわれたスコティッシュカップ準々決勝、セルティックはリビングストンを4-2で下している。

本拠地セルティック・パークでの一発勝負となった同ラウンドで、ホームチームは開始7分で先制。ぎりぎりのタイミングで相手DFラインの裏側に抜け出し、ニコラス=ゲリット・クーンの縦パスを受けてゴールネットを揺らしたのは、前田大然だった。冷静なシュートが印象的だった彼は、22分にはマット・オライリーの強烈なシュートを相手GKが弾いたところをダイビングヘッドで詰めて2点目。さらに86分、右からのクロスにも素早く合わせて決勝ゴールを決めてみせた。

セルティックでの公式戦通算100試合目となる節目の一戦で、加入後初めてハットトリックを決めた日本代表FW。ちなみに、3点目で上手いDFライン裏側への飛び出しで味方のパスを引き出し、的確にラストパスを通したのは岩田智輝であり、また後半アディショナルタイムに独走からダメ押しのゴールをGKとの1対1を難なく制して決めたのは交代出場の古橋亨梧と、他の日本人選手も結果を残して次ラウンド進出に貢献している。

最高殊勲者となった前田は「セルティックでの100試合目でチームの勝利に貢献出来て嬉しいです」と自身のSNSで勝点3奪取を喜んだが、そんな俊英をブレンダン・ロジャース監督は「大然のハットトリック達成は素晴らしい。その動き、走り、決めたいという欲求が、彼にゴールをもたらした。彼のことを嬉しく思う」と褒め称えた。

当然ながら、この試合の「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」にも選出された背番号38には、現地メディアも高評価を下しており、英国公共放送『BBC』も同じ賞を前田に与え、「好守を見せたリビングストンの守護神マイケル・マクガバン、同チームで得点力を示したテテ・イェンギ、そしてセルティックのクーンと、何人も『プレーヤー・オブ・ザ・マッチ』の候補者はいたが、ハットトリックを達成し、さらにゴールを重ねようとした選手を無視することはできない。それこそ、前田だ」と綴っている。
日刊紙『THE SCOTSMAN』は、「ダイゼンの魔法の瞬間が試合を救う」「古橋がベンチスタートとなる中、セルティックは別の日本人選手の決定力に感謝した」「前田のハットトリックは最終的に両チームの違いとなった」と、決して簡単ではなかった一戦での前田による仕事の重要ぶりを強調した。

『THE SCOTTISH Sun』紙も、「前田はプレシーズンの日本ツアー中(横浜F・マリノス戦)にもハットトリックを達成したが、今回のそれは彼とチームにとって、それ以上の意味を持った」と綴る一方で、「ハットトリックは十分過ぎるほどに良かったが、このスピードに優れた選手は、4点目、5点目を決められなかったことを悔やんでいるかもしれない」と、彼の逸機にも言及している。

サッカー専門サイト『footballscotland』は、10点満点の採点で「合格点は6人だけ」とセルティックのパフォーマンスが低かったことを強調する中で、前田には「9」の最高点を与え、寸評では「運が味方していれば、前半でハットトリックを達成できたかもしれない。残り数分で3点目を挙げ、セルティックを次ラウンドに押し上げた。日本のスターによる素晴らしいパフォーマンス」と賛辞を贈った。

グラスゴーの地元メディア『Glasgow World』は、「日本人FWの、ゴール前での冷静さが増した。通常のプレッシングやランニングに加え、3つの素晴らしいゴールを決めた」とポジティブな内容の寸評を綴り、採点ではこちらも単独最高となる「8」を付与している。

構成●THE DIGEST編集部

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