日経平均は小幅続落、米CPI控え調整 下値では押し目買いも

Hiroko Hamada

[東京 12日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比22円98銭安の3万8797円51銭と、小幅に続落して取引を終えた。米消費者物価指数(CPI)の公表を控えたポジション調整の売りで、下げ幅は一時500円を超えた。ただ、下落局面では押し目買いも入り、下値の堅さも確認された。

日経平均は前営業日比350円安と軟調にスタート。前場中盤には、一時549円安の3万8271円38銭まで下落した。米国市場でのハイテク株安を嫌気し、指数寄与度の高い半導体関連株が売られた。後場にかけては下げ幅を縮小。押し目買いの流入で、大引け間際には小幅高の水準まで持ち直す場面もあった。

日銀の植田和男総裁は同日の参院財政金融委員会で、金融政策の正常化判断を巡り「物価安定目標2%が持続的、安定的に達成できる見通しが持てるようになればマイナス金利政策、イールドカーブ・コントロール、その他のさまざまな現在実行している大規模緩和策の修正を検討していくことになる」と発言した。「株式市場にとって、サプライズとはならなかった」(国内証券・ストラテジスト)という。

日経平均は下値の堅さが意識されるものの、目先は調整が続きやすいとの見方も出ている。T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト、浪岡宏氏は「需給面では足元で裁定買い残が積み上がっていることや、円の先高観が意識されることなどから、やや軟調な地合いが続きやすい」と指摘。日経平均は3万7500円程度まで下落してもおかしくないとみている。

TOPIXは0.36%安の2657.24ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は4兆7860億3600万円だった。東証33業種では、パルプ・紙、ガラス・土石、繊維など16業種が値上がり。銀行、保険、卸売など17業種は値下がりした。

個別では、指数寄与度の大きいファーストリテイリング、アドバンテストが買われた。一方、東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスが軟調。主力のトヨタ自動車は小幅安、任天堂は1%超安だった。

メガバンク株は売られ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループはそれぞれ2%超安だった。日銀の金融政策正常化が意識されている一方、利益確定売りが優勢になったという。

プライム市場の騰落数は、値上がり1079銘柄(65%)に対し、値下がりが529銘柄(31%)、変わらずが48銘柄(2%)だった。

終値 前日比 寄り付き 安値/高値

日経平均 38797.51 -22.98 38470.39 38,271.38─38,841.80

TOPIX 2657.24 -9.59 2639.69 2,617.90─2,657.53

プライム市場指数 1367.51 -4.98 1357.31 1,347.29─1,367.67

スタンダード市場指数 1261.28 +7.02 1249.15 1,242.43─1,261.28

グロース市場指数 943.42 +17.19 921.39 914.84─943.42

グロース250指数 751.57 +14.28 733.16 727.32─751.57

東証出来高(万株) 182973 東証売買代金(億円) 47860.36

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