時計や美術品への投資はリスクが高いって本当ですか? 趣味としても楽しめて一石二鳥だと思うのですが…。

高級品への投資は「動産」。特徴とリスクを理解すべし

時計や美術品など、現物資産への投資は「動産投資」です。不動産と動産の違いは「動かすことが可能かどうか」で、民法86条においても「不動産以外のものは、すべて動産とする」と定義されています。

時計や美術品以外では、以下の動産も投資対象といえるでしょう。

__・限定コイン

・ブランドバッグ

・ヴィンテージワイン・ウイスキー

・アンティーク品__

なお、「幸せおうち計画」を運営する、株式会社AZWAY(東京都豊島区)が行った投資に関するアンケート調査(調査期間:2023年12月16日~18日、調査対象:10~60代以上までの620人)によると、投資をしている429人のうち投資先として回答が多かったのは、「投資信託」(48.7%)と「株式投資」(39.2%)で約9割でした。

「FX」(4.7%)、「仮想通貨」(2.8%)、「不動産」(2.1%)と回答した人を含めると回答者の97.6%に及んでおり、腕時計や美術品をはじめとした動産へ投資している人は僅少であることが分かります。

動産への投資が向いている人とは?

動産への投資は、動産そのものの価値を見極める必要があるため、特定の分野に関して専門的な知識を有していることが求められます。動産投資を行う際には、自身が以下に該当しているかどうか見極めることが大切です。

__・専門知識を有している分野がある

・市場の状況やトレンドについて詳しい

・長期的に投資と向き合える

・十分な余剰資産がある__

腕時計や美術品をはじめとした動産は、ブランドや希少性などの知識が求められます。あわせて、市場規模やトレンドによって価格が変動するため、市場全体の情勢についても詳しい知識が求められるでしょう。

特に、動産を貸し出してレンタル収入を得る場合は、トレンドに敏感である必要があります。トレンドから外れた動産はレンタルの需要が低いと予測されることから、思うように収益を上げられないリスクが考えられます。

動産ならではのリスクとして、「偽物リスク」も見逃せません。また、将来的に高い価値を得るためにはきちんと管理する必要があるため、真贋を見極める目と適切に動産を管理する環境も求められます。

動産の価値は短期間で大きく変動することが少なく、値上がり益を得るには長期的な視野で投資と向き合う必要があります。そのため、余剰資金を活用して動産投資を行わないと、普段の生活に悪影響が出てしまうリスクに留意しましょう。

投資対象としての動産は、市場の動きが不透明で予測が難しい特徴があります。動産を見極める能力があるかどうかを冷静に評価するだけでなく、自分が背負える範囲のリスクで投資を行う意識を持つことが重要です。

まとめ

動産への投資は、自分の趣味の延長として行えるメリットがある反面、さまざまなリスクがあります。真贋を判断する目やトレンドの把握をはじめ、専門的な知識が求められる点は押さえておきましょう。

動産は株式や債券、不動産投資と比較すると行っている人が少ない状況です。腕時計や美術品などの動産投資を行いたい場合は、思ったように収益を上げられないリスクがある点を踏まえて、適切なリスクの範囲内で実践することを意識しましょう。

出典

e-gov法令検索 民法
株式会社AZWAY 幸せおうち計画 「投資をしているか」についてアンケート

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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