その繊細なタッチと美しい旋律で “ピアノの詩人”と賞賛されるピアニスト、フレッド・ハーシュのECMソロデビューALリリース

© Roberto Cifarelli / ECM Records

今年創設55周年となるヨーロッパを代表する名門ジャズ・レーベルECMから、現ジャズ界で最も傑出したソリストの一人である米国のピアニスト、フレッド・ハーシュのソロ・アルバム『サイレント、リスニング』がリリースされることが発表され、先行トラック「Akrasia」の配信がスタートした。

<YouTube:Akrasia

フレッド・ハーシュは、その繊細なタッチと美しい旋律で“ピアノの詩人”と賞賛されるピアニストで、30年以上ジャズ界の最前線で活躍するヴェテラン・ピアニスト。昨年リリースされたエスペランサとのデュオ・アルバム『Alive At The Village Vanguard』でファン層もさらに広げたフレッド・ハーシュだが、新作『サイレント、リスニング』はソロ・アルバムとしては2020年リリースの『Songs From Home』以来4年ぶり、さらにソロ・ピアノ録音を誇るECMからのリリースとしては、2022年発表のエンリコ・ラヴァとのデュオ・アルバム『サ・ソング・イス・ユー』以来2作目で今回がソロ・デビュー作となる。

 このアルバムでは、オリジナル曲やスタンダード曲も織り交ぜながら、注意深くもオープンな即興演奏に詩的な重点を置いている。歌と自発的に作曲された曲を織り交ぜながら、ハーシュは、彼が「夜行性」と表現する音楽的雰囲気、音に対する感受性の高まりを形作り、持続させている。

 「私は、アルバムは最初から最後まで完全な音楽的声明であるという考えを今でも信じています」とハーシュはコメントし、これはせっかちな時代に失われつつある視点だと付け加えた。「私にとって、アルバムはストーリーを語るものでなければならない」とも語っている。

 本作『サイレント、リスニング』は、ハーシュとマンフレート・アイヒャーが、フレッドがイタリア人トランペット奏者エンリコ・ラヴァと組んだデュオ・アルバム『ザ・ソング・イズ・ユー』で築いた協力関係を土台にしている。

 「ジャズ・ミュージシャンとしての人生で最も幸せだったことは、最も有機的に起こったことだった」とフレッドは言う。そして、エンリコとのレコーディングは、とても自然発生的に行われたもので、何か特別なことが起こっていることを認識した。その後、マンフレートをプロデューサーに迎えて、同じホールで(私の耳には音響が完璧に近い)同じピアノでソロ・アルバムを作りたいと言ったんだ」。

 今年創設55周年を迎え、キース・ジャレットをはじめ数々のピアノ・ソロ名盤を残してきているECMレコードにとっても、カタログに新たな名盤が加わることとなった。
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【作品情報】

『サイレント、リスニング』
2024年4月19日世界同時発売
UCCE-1205
https://FRED-HERSCH.lnk.to/SilentListening

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