【ファルコンS】好走のカギは前走距離 好材料多いロジリオン、キャプテンネキを評価

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NHKマイルCに向けた一戦

春の足音が近づいてきた3月中旬。クラシック路線とNHKマイルCどちらに最大目標を絞るのか。各陣営頭を悩ませる時期だろう。今週日曜日には中山芝1800mの皐月賞トライアル・スプリングSが開催され、土曜日には中京芝1400mのファルコンSが行われる。NHKマイルCに向けて少しでも賞金を加算したい馬が多く、激戦が予想される。今週はそのファルコンSについて傾向を見ていく。

前走GⅠ組は勝ち馬ゼロ

2012年から現在の中京芝1400mに変更になった当レース。まず初めに過去10年の前走クラス別成績を見ていく。

<前走クラス別成績>
未勝利【0-0-1-8】
1勝クラス【2-4-2-50】
OP・L【3-1-0-46】
GⅢ【5-1-2-15】
GⅡ【0-0-0-1】
GⅠ【0-4-4-14】
地方【0-0-1-2】

意外だったのは前走GⅠ組から勝ち馬が出ていないこと。連対率18.2%、複勝率36.4%で2、3着はあるが、少々物足りない結果だ。今年は朝日杯FS6着サトミノキラリ、10着シュトラウスが出走予定。ただ馬券のヒモには入れておきたい存在ではある。

GⅢ組は最多の5勝をあげていて、シンザン記念組は【3-0-0-5】。1着馬の前走は14、5、2着だった。今年は同レース10着のタイキヴァンクールが出走予定だ。

OP・L組の勝ち馬3頭はすべてクロッカスSからの転戦馬で、成績は【3-1-0-19】となっている。今年はロジリオンが同レース1着から参戦予定だ。前走1勝クラスの馬は「前走1着かつ当日3番人気以内」だと【1-3-0-3】連対率57.1%、単勝回収率117%、複勝回収率137%と好走している。今年の登録馬で前走1勝クラス1着はアンクルクロス、ソンシ、ナムラアトム。この3頭の当日人気には注目したい。

前走から同距離or距離短縮組に注目

3歳戦でクラシックを目指すのか、短距離路線やNHKマイルCを最大目標にするのか悩ましい時期なだけに、出走馬の経験してきた距離が幅広い。過去10年の前走距離別成績は下記のようになる。

距離延長【1-0-2-42】勝率2.2%/連対率2.2%/複勝率6.7%
同距離【4-3-1-46】勝率7.4%/連対率13.0%/複勝率14.8%
距離短縮【5-7-7-48】勝率7.5%/連対率17.9%/複勝率28.4%

ハッキリと同距離もしくは距離短縮組が良い。もう少し詳しく前走距離を紐解いてみよう。

<前走距離別成績>
1200m【1-0-2-42】
1400m【4-3-1-46】
1600m【5-5-7-45】
1700m~【0-2-0-3】

短縮組の中でも1ハロン短縮となるマイルから挑んできた馬が好成績を残している。逆に1200mから距離を伸ばしてきた馬は苦戦傾向だ。

中京芝1400m巧者を探せ 川田将雅騎手が複勝率43.0%

次にレースが行われる中京芝1400mの成績をランキングにしてみた(集計期間: 2014年1月1日~2024年3月8日までの307レース)。

<中京芝1400m 騎手ランキング>
1位 M.デムーロ【17-8-6-33】勝率26.6%/連対率39.1%/複勝率48.4%
2位 川田将雅【15-13-6-45】勝率19.0%/連対率35.4%/複勝率43.0%
3位 松山弘平【13-21-8-116】勝率8.2%/連対率21.5%/複勝率26.6%
4位 吉田隼人【13-6-8-78】勝率12.4%/連対率18.1%/複勝率25.7%
5位 和田竜二【10-10-12-84】勝率8.6%/連対率17.2%/複勝率27.6%

騎乗予定の中では川田将雅騎手が頭一つ抜けている。3月11日時点で他の騎乗予定騎手では大きな差はない。となると川田騎手がソンシをどのようにエスコートするかに注目だ。

次に出走予定馬の種牡馬に絞って、同様の期間で勝ち星ランキングを調べてみた。

<中京芝1400m 出走予定馬の種牡馬ランキング>
1位 ダイワメジャー産駒【20-20-22-204】勝率7.5%/連対率15.0%/複勝率23.3%
2位 モーリス産駒【9-5-5-36】勝率16.4%/連対率25.5%/複勝率34.5%
3位 リオンディーズ産駒【3-2-6-30】勝率7.3%/連対率12.2%/複勝率26.8%
4位 リアルインパクト産駒【2-3-1-7】勝率15.4%/連対率38.5%/複勝率46.2%
5位 エイシンヒカリ産駒【2-2-1-13】勝率11.1%/連対率22.2%/複勝率27.8%

トップはダイワメジャー産駒。全体ランキングでもディープインパクト産駒に次ぐ堂々の2位だった。今年はフェアリーS9着のキャプテンネキが出走予定だ。

モーリス産駒は勝率16.4%、連対率25.5%、複勝率34.5%で好成績を残している。朝日杯FSからの巻き返しを図るシュトラウス、2022年のセレクトセールにて2億2000万円で落札されデビュー2連勝、そして朝日杯FSで3番人気に支持されたダノンマッキンリー。重賞で好走実績のあるミルテンベルク、他にもフェンダーが出走予定で目が離せない。

ランキング外ではタリスマニック産駒に注目しておきたい。わずか3走しか出走歴がないが、昨年はファルコンSでサウザンサニーが14番人気3着と激走した、そして今年出走予定のアンクルクロスは昨年12月10日に同コースで行われた未勝利戦を12番人気ながら1着。穴党は覚えておきたい一頭だ。

本命は総合点でロジリオン

ここまで見てきての本命はロジリオンとする。過去10年で3勝しているクロッカスSからの転戦馬で、種牡馬ランキングで3位だったリオンディーズ産駒。騎乗予定の三浦皇成騎手が当該コースでイマイチなことだけが気がかりだが、GⅡ京王杯2歳Sで2着した走りを見ても、このメンバーなら上位争い可能とみる。

対抗は松山弘平騎手とのコンビで挑むダイワメジャー産駒キャプテンネキ。種牡馬ランキング1位、そして騎手ランキング3位の組み合わせとなると狙わない手はない。中山マイルで行われたフェアリーSからの距離短縮でもあり、2020年にはこのローテーションでシャインガーネットが勝利した。

3番手評価は朝日杯FSで2番人気ながら10着に敗れたモーリス産駒のシュトラウス。前走朝日杯FS組は勝ち馬こそ出ていないが【0-4-3-14】で2、3着はある。またアサクサゲンキ、モントライゼ、オタルエバーのように二桁着順からも巻き返している。シュトラウスは初の1400m戦に期待したい。

あとは川田将雅騎手が騎乗予定のソンシ、当該舞台で勝ち星があるタリスマニック産駒のアンクルクロス、本命のロジリオンに差のない競馬をした経験があるオーキッドロマンスまで印をまわしておきたい。

◎ロジリオン
〇キャプテンネキ
▲シュトラウス
△ソンシ
×アンクルクロス
×オーキッドロマンス

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。



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