“傑作”と言われる『三体』をどう映像化? 『ゲーム・オブ・スローンズ』製作陣が語る

3月21日より配信されるNetflixシリーズ『三体』でショーランナーを務めたデヴィッド・ベニオフと D・B・ワイスのコメントが到着した。

本作は、『ゲーム・オブ・スローンズ』のクリエイターが贈る、世界的ベストセラーSF小説の実写ドラマシリーズ。迫り来る異星文明の侵略に直面する人類を、世代を飛び越えて描く壮大なSF叙事詩だ。

“SF界のノーベル文学賞”ことヒューゴー賞を受賞した、作家・ 劉慈欣による原作小説について、『ゲーム・オブ・スローンズ』を手がけたワイスは、「あらゆる点において、これまで読んだことのある小説とは違いましたし、間違いなく、映像化を考えたこともないような作品でした」とリスペクトを爆発。同じく『ゲーム・オブ・スローンズ』を手がけたベニオフも、「この小説はSFというジャンルに、重厚な実用科学と想像力あふれる壮大な冒険を融合させていて、それが目新しさと新鮮さを感じさせる理由だと思います。私たちは皆、原作小説を心から愛し、尊敬している。そして、とても野心的な物語なので、映像化の可能性を大きく広げてくれるとも感じました」と愛と希望を抱いた読後感を振り返った。

映像化するうえで、彼らはまず、原作者・劉慈欣と会話する機会を設けてもらったそう。そのうえで導き出された結論のひとつが、時系列の編集、キャラクター設定のマイナーチェンジといった調整をすること。ワイスは、「我々も、多くのファンの方々も、この小説の好きなところはきっと同じだと思います。私たちは、ベストな、そして可能な限りインパクトのある形で、この作品に命を吹き込もうと全力を尽くしました」と語った。

そして、物語を紡ぐために大切にしたことについてもベニオフが語る。「本作は人類とその苦難の物語であり、それらと共に解明不可能な謎が描かれていきます。そのため、私たちは可能な限り“全人類”を描きたかった。つまり、世界中の人々を登場させたかったのです。そこで、きわめて多様な国際色あふれるキャストを起用して、1つの国が異星文明の脅威に立ち向かう物語ではなく、地球規模の生存戦争を描いた物語でもあることを表現したのです」。

この物語の土台にあるのは、スリリングな謎の中にある、深い人間味を感じる物語と、共感を覚えるキャラクター。様々な国のキャストとともに物語を紡いでいったベニオフは、「迫りくる脅威が描かれますが、その物語は核となるキャラクターの物語としっかり結びついていて、彼らを中心に展開します。“ファンタジーは好きじゃない”と言っていた多くの方々が、『ゲーム・オブ・スローンズ』を好きになってくれました。願わくは、普段SFをあまり好まない方々が、『三体』を気に入ってくれたらな、と思います!」と願った。

(文=リアルサウンド編集部)

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