被災木素材の楽器の音色に安らぎ 「三人のコカリナ吹き」演奏 被災地のことを忘れないように/岡山・津山市 

東日本大震災からまる13年を迎えた11日、被災木で作られたコカリナのコンサートが岡山県津山市の鶴山ホテルチャペルで開かれ、心安らぐ音色に市民ら約60人が聴き入った。

日本コカリナ協会公認講師の古澤かおるさん=小原=、妹でライアー(たて琴)奏者の水野みどりさん=沼=、門下生を加えた「三人のコカリナ吹き」が出演。

岩手県陸前高田市で津波になぎ倒されたクロマツ、宮城県石巻市の小学校で焼け残ったアカマツで作った木笛で「空より高く」「木蘭の涙」、復興ソング「花は咲く」といった曲を奏で、ライアーとともに柔らかな調べを響かせた。アンサンブルによる「アメージンググレース」、フィナーレの「故郷」は来場者も合唱。

同震災にちなんでこれまで50回の演奏会を開いた古澤さんは「いまだ2500人近い行方不明者、3万人近い避難者がおられ、忘れないことが応援になると思う」とメッセージを伝え、惜しみない拍手が送られた。

小原の主婦・樋口節子さん(63)は「素朴で心にしみるような音色。素材が被災木というのも感慨深かった。私も被災地のことを忘れずにいたいと思う」と話した。

被災木で作られたコカリナを奏でる古澤さん

© 津山朝日新聞社