石綿、JR東日本に賠償命令 元職員の肺がん死亡で

 JR東日本の職員だった男性が2021年に肺がんで死亡したのは、車両修理工場でアスベスト(石綿)を吸ったのが原因だとして、遺族がJR東と鉄道建設・運輸施設整備支援機構に総額約3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は12日、安全配慮義務違反があったとして、被告側に計約1770万円の支払いを命じた。

 原告側の代理人弁護士によると、石綿被害で鉄道会社の過失責任が認められるのは異例。

 判決によると、男性は1957年、旧国鉄に採用され、東京都内の工場で石綿が使われていた車両の溶接などに約38年にわたって従事した。退職後の2017年に肺がんを発症した。

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