今回は私の実家で起こった、盗難トラブルについてお話しします。実家に泊まりに来ていた人が犯人だと疑われたが、実は……!?
弟の婚約者が泊まった日、次々と異変が……
うちは姉・私・弟の3人きょうだいです。
当時、20代だった私と弟は実家を出て1人暮らしをしており、30代の姉は両親と共に実家に住んでいました。
ある日、弟が婚約者を連れて結婚の挨拶をしにくると連絡が入ったので、実家に帰省することに。
婚約者のAちゃんはとても良い子で、人見知りでおとなしい姉以外とは、すぐに打ち解けていました。
挨拶と食事会は無事に終わり、遠方から来ていたAちゃんはそのままうちに一泊することになりました。
しかしそこで事件が起こってしまうのです。
次の日、洗面台の棚に置いていた私の高級な化粧水やクリームが、大量に減っているのに気がつきました。
(母や姉が私の化粧品を使うことはない。となると、Aちゃんしかいないよね……。まさか勝手に人のものを使うような子なのかな?)
Aちゃんとの今後の付き合いもあるので、波風を立てないように弟を通して化粧品を使ったか聞いてみると、Aちゃんからは「使った覚えはない」との返事が。
(じゃあなんで化粧品が減ったんだろう)とモヤモヤしていると、今度はリビングにあった母の高級ハンドクリームが紛失していることが発覚しました。
そして全員で探した結果、そのハンドクリームがAちゃんの鞄から発見されたのです。
「私じゃない」と泣く婚約者。では犯人は誰?
「本当に私はやっていません」と泣きじゃくるAちゃん。
その姿は、とても演技には見えませんでした。
一方、それまで静かだった姉が、突然鬼の形相になり「こんな子が家族になるなんて無理!」とAちゃんを責め立てる姿に、違和感を覚えた私。
ふと、家の庭にリビングが映る向きに設置された防犯カメラがあったことを思い出し、こっそり父にお願いして映像を見せてもらいました。
そこには母のハンドクリームを手にとり、周りを見回した後に持ち去る姉の様子が映っていたのです。
すぐに姉を問い詰めたところ、「Aちゃんの顔が昔自分をいじめていた先輩にそっくりで、弟と結婚して欲しくなかったから、Aちゃんが盗んだように見せて印象を悪くしたかった」と白状しました。
不自然に減っていた私の化粧品も、Aちゃんが無断で使った風に見せたくて、姉が捨てたとのことでした。
その後、弟とAちゃんは無事に結婚しましたが、あの事件以来姉は実家から追い出され、弟夫婦が来るときには帰省させないようにしていると母から聞きました。
最後に
過去にトラウマがあったとしても、無関係の人を傷つけていい理由にはなりません。過去の思い出を思い出してしまうのが嫌、という気持ちはわかりますが、それがどうでもよくなるくらい、素敵な人生を送ることを考えた方が幸せになれるのではないでしょうか。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N