地方鉄道の存廃と再編へ議論加速 交通維持、自治体主導も

 地方鉄道の存廃と公共交通の再編を巡る議論が、各地で加速している。赤字路線を抱える鉄道事業者の検討要請に対し、利用低迷を静観すれば廃線につながりかねないとの危機感が自治体側にある。バス転換や存廃を含む話し合いをしたり、自治体主導で第三セクターへの移管や運行本数の増加を決めたりといったケースも出ている。人口減少の中、各地の事情に応じて持続可能な公共交通をつくるための模索が始まっている。

 昨年の法改正で、利用状況が危機的な路線を対象に、鉄道を残して収支改善を目指すか、廃止してバス転換するかなどを決める再構築協議会制度ができた。岡山、広島両県を結ぶJR芸備線を対象にした協議会が第1号で、今月26日に初会合を開く。

 自治体や事業者主導の議論も各地で進んでいる。富山県のJR城端線・氷見線では昨年末、2029年度をめどに両路線の経営をJR西日本から県主体の三セクに移管し、新型車両導入や運行本数増加を目指す計画を決めた。JR任せではなく自治体主導で利便性を向上させる狙いがある。

© 一般社団法人共同通信社