風化させない…震度6強「3・12栄村地震」から13年 「絆で乗り越えた」体験者が児童に語る

長野放送

長野県栄村で震度6強を観測した地震から12日で13年です。記憶を風化させてはならないと住民が栄小学校の児童に経験を語りました。伝えたかったのは「住民同士協力すること」です。

栄村役場・島崎佳美さん:
「下から『ボン』ってたたかれた感じ。ベッドから振り落とされるくらい激しい揺れでした」

13年前の地震の体験を語るのは栄村役場職員の島崎佳美さん(40)です。栄小学校の全校児童43人の前で講演しました。

東日本大震災の翌日、震度6強を観測する地震が栄村を襲いました。住宅33棟が全壊。避難生活によるストレスなどで3人が災害関連死と認定されました。

こちらは地震直後の島崎さんです。当時、妊娠中でしたが住民のために道路や水道などの生活情報を伝える手書きの新聞「まけんなっ!栄村!!」を毎日、作っていました。

島崎佳美さん(当時):
「できるだけ村民が前向きにがんばろうと思えるような(内容に)。見てもらえたらうれしくなる」

今の児童は地震を経験していません。島崎さんは当時の写真や新聞を使って語りかけました。

島崎佳美さん:
「避難所は過酷なんだけど掃除したりとか当番を決めて、少しでも良い環境にしようと村民自ら気づいて動き出してくれた。みんなが諦めないで『なんとかもう一度ここで暮らしたい』。そういう思いで協力して、声を掛け合って乗り越えてきたから今があると思う」

児童はー。

4年生:
「地震はとても怖いということがよくわかった」
「(避難所で)みんなが怖い思いをしながら待っていたと思うと、少しゾッとする。避難場所とか確認していざとなったら行動できるようにしたい」

13年前、島崎さんのおなかの中にいた娘の夏芽さんも6年生になっています。

島崎佳美さんの長女・夏芽さん(6年生):
「(「まけんなっ!栄村!!」は)前向きに生活ができるようなことが書かれていて、いいなと思った。(母は)震災の中で大変なのにすごいと思った」

栄村役場・島崎佳美さん:
「これから生きていく子どもたちには、みんなも(村の)一員になってほしい。ひとごとではなくて当事者意識を持っていろんなことに関わってほしいという思いで話した」

記憶を風化させない…小学校では今後も体験者の講演会を続けます。

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