「1個も入っていません」花粉症患者数“ワースト県”が新たな救世主⁉無花粉スギを研究中!=静岡県

花粉症に悩まされている人が多いのではないでしょうか。特に静岡県は“花粉症持ち”の人が全国で最も多いとされています。そこで期待されているのが、県が研究している無花粉スギ。新たな救世主となるのでしょうか。

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浜松市浜名区にある静岡県の農林技術研究所森林・林業研究センターです。ここに花粉をゼロにさせる“秘策”があるといいます。

<静岡県農林技術研究所 袴田哲司さん>
「これが無花粉スギの三月晴不稔3号というものですね」

静岡県は15年ほど前から無花粉スギの研究を始めました。

<静岡県農林技術研究所 袴田哲司さん>
「見た感じは普通の杉と変わりないんですけど。ここに雄花が付いてるんです。この雄花の中に無花粉スギは花粉が入っていない」

花粉のある雄花の断面と無花粉スギの断面の写真を見比べていました。

<静岡県農林技術研究所 袴田哲司さん>
「普通のスギのこの雄花の中に20万~40万個の花粉が入っているっていわれているんですけど、無花粉スギには1個も入っていません」

県の研究センターでは、突然変異により無花粉の遺伝子を持っているスギを自然の中から探し、そのスギを交配させ、無花粉スギを開発しました。

“国民病”ともいえる花粉症の対策。第一三共ヘルスケアの調査によりますと、全国平均で国民の半数以上にあたる55.1%が花粉症だといいます。一方で、静岡県は74%と県民の7割以上が花粉症であるという結果が出ました。全国でワースト1となっているのです。

国は全国にあるスギの人工林、およそ2割にあたる98万ヘクタールを伐採や植え替えが集中的に進められる「重点地区」に指定。30年後には、スギ花粉の発生量を半減させる目標を掲げました。

県が研究している無花粉スギは県内の山におよそ1500本試験的に植えられていて高いものでは10メートルを超え普通のスギと材質なども全く変わらないということです。

<静岡県農林技術研究所 袴田哲司さん>
「国や県でも花粉症対策っていうのは林業的側面からも進めてるっていうそういう状況にある中で、無花粉スギっていうのが今後広まっていけばいなと、思ってます」

一方で、実現するにはまだまだ先のこと。今すぐできるオススメの花粉症対策をドラッグストアで聞きました。

<杏林堂薬局 正田葉月さん>
「顔や髪にスプレーをして吹きかけていただくことによって花粉の付着を抑制していただけるような商品があります。飲み薬や目薬などの医薬品を使うことはもちろんですが、こうした商品を使うことによって、より花粉対策ができるかと思います」

花粉症発症率全国1位の静岡県。花粉症から解放される日はいつになるのでしょうか。

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