東大寺二月堂で籠たいまつ 春の訪れ告げる、お水取り

東大寺二月堂で行われた「お水取り」で、世話役の「童子」が欄干から籠たいまつを突き出して走ると暗闇に火の粉が降り注いだ=12日夜、奈良市(多重露光)

 「お水取り」の名で知られる仏教修行「修二会」が1日から行われている世界遺産・東大寺二月堂(奈良市)で12日、長さ約8メートルの大きな「籠たいまつ」がお目見えした。修二会は大仏開眼と同じ752年から続く、古都に春の訪れを告げる行事。疫病や戦争でも途切れず、「不退の行法」とも呼ばれる。

 たいまつは修行僧の道明かり。期間中毎日ともされるが、この日は通常の約6メートルよりも長いものを使う。午後7時半過ぎ、籠たいまつを担いだ世話役の「童子」に導かれ、11人の修行僧がお堂の中へ。童子が欄干から籠たいまつを突き出して一気に走った。暗闇に火の粉が降り注ぐと、多くの参拝客が驚きの声を上げた。

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