今年で100周年!英国の名門『UMBRO』による「80年代イングランド」ユニフォーム5選

イギリスが発祥の地である名門スポーツブランド「Umbro(アンブロ)」は、今年5月で創業から100周年を迎える。

ここではそのUmbroが1980年代に生み出した「イングランドのチームの名作ユニフォーム」5着をご紹介しよう。

80年代Umbroはサプライヤーのチーム数も多いため、当然ながら名作ユニフォームも数多く存在する。今回は厳選しての5着となった。

イングランド代表

イングランド代表 1988 Umbro ホーム ユニフォーム

選手:グレン・ホドル

Umbroといえばイングランド代表だ。1950年代から70年代でも両者はパートナーだった時期があるが、1984年から2012年までの第3期は多くの印象的なデザインが登場した。

1980年代から一着選ぶのなら、1988年の欧州選手権(EURO1988)などで使用したこのホームユニフォーム。この写真では一般的な襟付きユニフォームに見える、実はクルーネックとボタン止めというスタイルだ。

シャツ全体にダイヤモンドパターンの透かしデザインをあしらった気品あふれるデザイン。両袖にネイビーとレッドを裏表・左右非対称に配するデザインが特徴的だった。

マンチェスター・シティ

マンチェスター・シティ 1987-89 Umbro ホーム ユニフォーム

選手:デヴィッド・ホワイト

マンチェスター・シティとUmbroの出会いは、今から90年前のこと。1934年のFAカップ決勝戦でシティはこのブランドのユニフォームを着用し、スコア2-1でポーツマスを下して優勝した。

この両者は1980年代にもいくつかの名作を残したが、最も印象深いキットはディヴィジョン2(2部リーグ)時代に登場したこの一着ではないだろうか。日本企業「brother」(ブラザー工業)のロゴが初めて付いたユニフォームだ。

英ロックバンド「オアシス」の中心にいたノエルとリアムのギャラガー兄弟が1990年代に、雑誌のビジュアルなどで熱烈なファンであるシティのユニフォームを着用。それにより「brother」の名は世界中の音楽ファンにも知れ渡った。

ホワイトのピンストライプでダイヤモンド柄を描く斬新なスタイル。ラップオーバーのVネックにさり気なく落とし込むストライプが洒落たデザインだ。

アーセナル

アーセナル 1984-86 Umbro ホーム ユニフォーム

選手:スティーヴ・ウィリアムズ

シャドーのピンストライプを配したお洒落なデザイン。襟や袖口のストライプの配し方も絶妙な一着である。

この1984-86モデルがアーセナルにとって最後のUmbroユニフォーム。その後はパートナーシップが復活したことはないため、この40年弱でアーセナルからUmbroの印象はすっかり薄れてしまった。ただ、それゆえにこのユニフォームを新鮮と感じる人もいるかもしれない。

両者の出会いとなったシーズンは定かではなく諸説あるが、1957年が濃厚だ。また、1960年代や70年代はUmbro製ユニフォームなのにメーカーロゴを付けていなかった時期があり、これが「自社ブランド製」に間違われる原因となっている。

ニューカッスル

ニューカッスル・ユナイテッド 1983-87 Umbro ホーム ユニフォーム

選手:ジョン・アンダーソン

ニューカッスルとUmbroは1980-81から1992-93の12シーズンでパートナーシップを結んでいた。“NUFC”で構成する丸型のエンブレムが特徴的だ。

この一つ前の1980-83モデルは大きめの襟を備えたクラシックなものだったが、4シーズンで使用した1983-87モデルはすっきりとしたVネックが格好よい。ちなみに、このデザインは2023-24シーズンのホームユニフォームに影響を与えている。

初めてこのユニフォームを使用した1983-84シーズンは2部リーグのディビジョン2を3位でフィニッシュし、1部ディビジョン1へ昇格を果たした記念すべきシーズンに。残り3シーズンも1部残留に成功した。

ニューカッスルのユース出身で、後にイングランド代表、トッテナム・ホットスパー、ラツィオ、レンジャーズで活躍したポール・ガスコインがトップチーム・デビューを果たしたのは、このユニフォーム時代の1984-85シーズンだった。

リヴァプール

リヴァプール 1982-85 Umbro ホーム ユニフォーム

選手:ケニー・ダルグリッシュ

1980年代のリヴァプールのユニフォームはadidasの印象が強いが、1884-85シーズンまではUmbroと契約していた。このユニフォームは、そのパートナーシップ最後のモデルだ。

それまでのシンプルな赤単色から脱却し、白のピンストライプを加えた当時としてはモダンなデザイン。胸の「CROWN PAINTS」は、写真のような1列タイプと上下2列に分けるタイプの2種類が存在する。

リヴァプールが1989-90シーズン以来のトップリーグ優勝を成し遂げた2019-20シーズンのユニフォームは、この1982-85モデルをベースにデザインされていた。

ダルグリッシュが着るこのユニフォームは1983-84シーズンの敵地ワトフォード戦でのもの。シャツは赤、パンツは黒、ソックスは黄色という、実は歴代でもかなり奇妙な色の組み合せなのだ。

パンツは1976-82アウェイユニフォーム、ソックスはシャツと同じ1983-84シーズンのアウェイユニフォームから、それぞれ寄せ集めた“奇跡のトリオ”である。ちなみに通常のホームはシャツ、パンツ、ソックスがすべて赤だった。

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