中四国初 御津高に不登校特別制度 岡山県教委、25年度入試で導入

 岡山県教委は12日、2025年度の県立高校入試で、御津高(岡山市北区御津金川)に不登校の生徒を対象とした特別制度「フレックス制」を導入すると発表した。入学後は操山高(同市中区浜)の通信制課程からも単位取得できる仕組みで、一連の取り組みは中四国地方で初めてという。不登校の増加を踏まえ、進学先の選択肢を広げる。

 県内の不登校の小中高生は文部科学省の22年度調査で4702人と2年連続で過去最多を更新。これまで学校に通えない中学生の多くは通信制高校に進学しており、個々の適性や学習意欲に応じた多様な受け皿が求められている。

 フレックス制の入試は例年2月の特別入試と同じ時期に実施。学力検査は行わず、志望理由書と面接で選考する。御津高全体の定員数の20%を上限に募集する。1年時は登校しづらい状況を想定して通信制の科目を多く履修し、徐々に学校での授業に移行する。

 不登校の経験者を受け入れている実績などを踏まえ御津高を選定。同高は24年度から不登校を理由に県内他校からの転校を認めるほか、教室に通えない中学生を受け入れる教育支援センターを校内に新設して支援の充実を図る方針だ。

 12日の県教育委員会で決定した。県教委高校魅力化推進室は「全日制高校に行きたいが学力や通学に不安のある生徒のための制度。高校からやり直すという願いを後押ししたい」としている。

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