米オスプレイ再開 防衛省が屋久島訪れ経緯説明 墜落事故原因や安全対策は言及せず

在福岡米国領事館や九州防衛局の関係者と面会する荒木耕治町長(左)=12日、屋久島町役場

 昨年11月に鹿児島県屋久島沖で発生した米軍オスプレイ墜落事故を巡り、九州防衛局の遠藤敦志企画部長が12日、屋久島町の役場や漁協を訪れ、米軍がオスプレイの飛行停止措置を解除した経緯などを説明した。面会はいずれも非公開。町などによると、具体的な事故原因や安全対策は明らかにされなかった。

 遠藤部長は面会後、報道陣に「米国から事故調査報告書が出た上で報告できることもあると思う。ただ、飛行再開の後になる」と話した。屋久島漁協が要望した現場海域の水質調査については、結果を月内に示す方針は変わらないとし、漁業補償の有無は「現時点で言及できない」とした。

 荒木耕治町長は「町民にはまだ不安がある。次の機会に詳しい原因や安全対策を聞きたいと九州防衛局に伝えた」と述べた。漁協の羽生隆行組合長は「防衛力強化を考えると仕方ないが、動きがあればその都度丁寧に説明してほしい」と語った。

 飛行停止措置の解除にあたり、木原稔防衛相は9日の会見で地元説明の必要性に言及していた。

 遠藤部長は、役場や漁協で墜落機搭乗員の救助・捜索に謝意を示した在福岡米国領事館(福岡市)のチュカ・アシーケ首席領事に同行した。

〈別カット〉屋久島漁協を後にする在福岡米国領事館のチュカ・アシーケ首席領事=12日、屋久島町安房

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