仲野太賀、2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」で主演! 八津弘幸が紡ぐ豊臣秀吉の弟・秀長の下剋上サクセスストーリー

仲野太賀が、2026年1月からNHK総合ほかで放送される大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日時未定)で主演を務めることが発表され、脚本を手掛けるる八津弘幸氏、制作統括の松川博敬氏と共に、制作・主演発表会見に出席した。

大河ドラマ第65作で描かれるのは、戦国時代のど真ん中。強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡、夢と希望の下剋上サクセスストーリーだ。

主人公は、天下人の弟・豊臣秀長(仲野)。歴史に“もしも”はないものの「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまで言わしめた天下一の補佐役・秀長の目線で、戦国時代をダイナミックに描く波瀾(はらん)万丈のエンターテインメントを、連続テレビ小説「おちょやん」(NHK)、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(ともにTBS系)、「家政夫のミタゾノ」シリーズ(テレビ朝日系)などを手掛けた八津氏が紡ぎ出す。

会見の冒頭には、松川氏が「皆さんお気付きだと思いますが、太賀が大河にでます」とあいさつすると、微妙な空気の会場に向かって仲野が、「お願いですが、笑ってもらっていいですか!」と呼び掛ける一幕も。仲野は「“太賀が大河”ということで、3段オチみたいですが…」と笑いつつ、「こんなに光栄なことはありません。今日という日が来るのが待ち遠しくて、無事に皆さんの前で発表できることを光栄に思いますし、心底ホッとしています。これまで偉大な先人の方々がつないでこられたバトンを僕自身が授かるということで、その重みを感じるとともに、とてもワクワクしています。このチームで最高に面白い作品、最高に魅力的な豊臣秀長を演じられたらと思っています」と、現在の率直な心境を明かした。

出演のオファーは昨年の10~11月頃に受けたそうで、「その瞬間は頭が真っ白になりました。「『太賀がいつか大河ドラマの主役になればいいね』と幼少期から言われ続け、俳優を始めてからも、大河ドラマの主役というのは自分の中で本当に大きな夢でした。その夢が突然現実になったので、驚きましたし、まるで夢のようでした」と、その時の気持ちを回顧。

続けて、俳優人生を振り返りながら、「これまでたくさんの仕事をさせていただき、大きな仕事もありましたし、セリフのない役も経験しました。そういった一つ一つの積み重ねがあったからこそ、今日この日を迎えることができ、それがとてもうれしいです。無駄なことは何一つなかったと思いますし、俳優を続けてきて本当によかったと思います」と、しみじみと語った。

2011年放送の大河ドラマ「江」で豊臣秀頼を演じていた仲野は、今作が2度目の豊臣役。「当時は何者でもない10代の俳優だったんですが、豊臣秀頼という役を演じたことが、自分のキャリアにおいて非常に大きな経験でした。あの役を通して、俳優として一つステップアップできた感覚があって、豊臣家には本当に救われていると感じていますし、縁があるなと思います。秀長から見た秀吉の存在は、まるで太陽のようなものであったと想像しています。その光があれば、人々は何にでも立ち向かっていける、そんな力を秀吉は秀長に与えていたのではないかと。そして秀長自身も、誰かにとっての太陽となり得たのではないかと考えています。戦国時代という生きるか死ぬかの時代の中でも、兄弟や家族、恋人や仲間という人間関係がどのように描かれるのか、それを演じることができるのをとても楽しみにしています」と、役柄への思いを述べた。

さらに、今作が5作目の大河ドラマへの出演。特に印象に残っている作品を問われると、「どの作品も本当に心を込めて取り組んできたので、特に印象深い一つを選ぶことはできませんが、直近の作品として『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』についてお話すると、何度もお世話になっている宮藤官九郎さんが脚本を手掛けたこともあり、最終話を見た時は、頭がかち割れるんじゃないかというぐらい号泣しました」とコメント。

大河ドラマといえば、従来は徳川家康や紫式部のような歴史に名を残す人物が主役に据えられることが多いが、今回は誰もが知る豊臣秀吉の隣にいる秀長が主人公の物語。「どうしても歴史に名を残す人が、物語としてフィーチャーされることが多いですが、これまであまりフィーチャーされてこなかった人物の人生を深く掘り下げることで、新たな魅力を引き出すことができると思っています。秀長という役には未知な部分が多く、演じることで世間の皆さんに新しい発見を提供できるかもしれないと思うと、とてもワクワクしています」と、新たな挑戦への期待を示している。

そして、戦国時代を描いた作品に挑むにあたり、「所作やそのほかの稽古は必要になると思いますが、一番大事にしているのは体調管理ですね。長期にわたる撮影で常に元気いっぱい、エネルギーいっぱいで演じられるようにしたいです。現代とは比較にならないほど過酷な出来事が日常的に起こっていた時代を演じる上で、多くのカロリーと想像力が必要だと思います。その時代の人々の心や思いにできる限り寄り添いながら、誠実に演じていきたいです」と意気込んだ。

「この大河ドラマを担当することになってから、ずっと緊張しています」と本音を吐露する脚本の八津氏は、「今の世界には多くの困難があり、戦国時代のように武力で物事を決めていく時代とは大きく異なる中で、戦国時代をどう描くか、何を伝えるべきかについては、正直なところ迷いがあります。難しいテーマを扱いつつも、若い人たちや子どもたちにも楽しんで見てもらえるような、そして何かメッセージを伝えられる大河ドラマを目指しています。楽しめる王道の物語を書きつつ、時代の重みを伝えるバランスを取ることが、私の中での挑戦です。秀長がお兄さんである秀吉にどれだけ振り回されるのか、という点を楽しむポイントとして書いていきたいと思っています」と、現在の思いを伝えた。

秀長のキャラクター像に関しては、「史実では秀吉の最高の補佐役で、天下統一には欠かせない存在だった秀長。最近の秀吉についての描写は、腹に一物抱えたサイコパスのようなイメージが多いですが、今回の大河では、そうではなく、もっと明るく、天然なお兄さんとしての秀吉を描きたい。そして、秀長が秀吉の思いつきやむちゃな要求に振り回されつつも、それを何とか実現しようと努力する様子、そして何よりも兄が大好きだという秀長の姿を見ていただきたいです。そして、太賀さんなら、このイメージに合った秀長をうまく演じてくれると思います」と、仲野に絶大なる信頼を寄せている。

「半沢直樹」など、大どんでん返しや意外な展開が魅力の八津氏の脚本。大河ドラマでは史実をベースにしつつも、その得意分野をどう発揮するか、自身にとっても大きなチャレンジであると認識しているそう。八津氏は「史実を扱うというのは、ある種の制約が伴います。事実上の出来事や結果が既に決まっているため、ドラマとしての自由度に限界があります。しかし、そこに小さな可能性を見いだし、史実とエンターテインメントをどうせめぎ合わせるかが、今回の私の課題です。僕らが一般的に教わった歴史と、最新の研究で明らかになる事実には、時として違いがあるので、そうした、未来にあるかもしれない変化をうまくドラマに織り交ぜていきたいですね。もし、“まさか”というような展開を作ることができれば、それが視聴者を楽しませる一つの方法になるでしょう。もちろん、史実からあまりにも離れ過ぎることは避けたいですが、視聴者に楽しんでもらうための工夫はしたいと考えています」と、エンターテインメントとしての大河ドラマに臨む決意を口にした。

© 株式会社東京ニュース通信社