鈴木彩艶を外してでも…日本代表、北朝鮮戦で呼ぶべきキーパー5名

今月ワールドカップ2次予選で北朝鮮とホーム&アウェイで対戦する日本代表。14日(木)には最新の代表メンバーが発表される。

最も気になるのはゴールキーパーの人選だろう。優勝候補の筆頭と呼ばれたアジアカップで日本は準々決勝敗退。経験が浅いにもかかわらず正GKに抜擢された鈴木彩艶は不安定なプレーを繰り返し、国内外から大きな批判を浴びることとなった。

鈴木は所属するシント=トロイデンでも良いプレーを見せたかと思えば信じられないミスも犯しており、先週末のリーグ戦でも落球から決勝ゴールを奪われた。

そうした中で迎える最新のメンバー発表。ここでは、いま代表招集に値するキーパーたちを特集してみよう。

大迫敬介

所属クラブ:サンフレッチェ広島(日本)
年齢:24

鈴木彩艶が起用され議論を呼ぶようになったのも、そもそもで言えば大迫の離脱からであろう。

2022年ワールドカップで守護神を務めた権田修一が年齢やJ2でのプレーから代表を離れ、シュミット・ダニエルと大迫がポジションを争うことになった2023年。シュミットが移籍のトラブルで脱落する中、大迫はドイツ代表への歴史的な大勝劇でゴールマウスを守り、正GKの座を射止めたかに思われた。

しかし同じ頃、所属チームの練習中に右手舟状骨を骨折。痛みを抱えながら残りシーズンを過ごしたもののシーズン終了後に手術に踏み切り、アジアカップを棒に振ることとなった。

全治2か月を擁したがJ開幕にぎりぎり間に合い、ここまで3試合中2試合でクリーンシートを達成。武器であるシュートストップも絶好調で、3節を終えて首位に立った広島を最後方から支えている。

谷晃生

所属クラブ:町田ゼルビア(日本)
年齢:23

谷晃生は本来であれば日本代表で守護神争いをしていなければいけない選手だ。

年代別の代表で常に大迫敬介としのぎを削った大器は、自国開催となった2021年東京五輪でも全6試合でゴールマウスを守り(鈴木彩艶が第3GK)、ベスト4入りに大きく貢献した。

年齢に似合わず安定感のあるプレーが持ち味で、すぐにでもA代表の権田修一に取って代わるかと思われた。しかし自身が育ったガンバ大阪では東口順昭の壁を破れず代表からフェードアウト。昨夏ベルギー2部に期限付き移籍するがここでも出場機会を得られなかった。

わずか半年で日本に戻り、今年J1に昇格した町田ゼルビアへ加入。その町田は開幕から絶好調でJリーグに旋風を巻き起こしており、正GKを任された谷もここまで3試合1失点と復調をアピールしている。

西川周作

所属クラブ:浦和レッズ(日本)
年齢:37

遡ると鈴木彩艶の経験不足は浦和時代から来ている。彼は浦和に所属した3年間で数えるほどしか出場経験を得られなかったのだが、そこにはこの男の存在があったからだ。

大分トリニータでのデビューから今年で20年目。サンフレッチェ広島、浦和レッズと移籍しながらほぼ全試合に出続けている鉄人は今年6月に38歳を迎えるが未だ衰えを知らない。

決して大柄ではないが、ジョアン・ミレッGKコーチとの出会いが彼を劇的に変えた。Qolyのインタビューでも「身長は関係ない」「年齢は関係ないことを証明したい」と語ってくれた通り、今も第一線に立ち続けている。

今の彼であれば日本代表に最も欠けている安心感をもたらすことができるであろう。2021年以来呼ばれていないが、自身は昨年「ポイチさん(森保一監督)にプレッシャーをかけたい」と語っており、代表復帰を諦めていない。

高丘陽平

所属クラブ:バンクーバー・ホワイトキャップス(カナダ)
年齢:27

キーパーとして海外で活躍したという実績でいえば、川島永嗣に次ぐのが高丘であろう。

横浜FCのアカデミー時代から将来を嘱望され、2018年に移籍したサガン鳥栖で成長。2020年に横浜F・マリノスへ加入すると、2022年のJリーグ制覇に貢献。自身初のベストイレブンに輝いた。

昨年、カナダからMLSに越境参加しているバンクーバー・ホワイトキャップスに移籍。443分連続無失点を含む10度のクリーンシートを達成するなど初年度から公式戦42試合に出場した。

足元の技術が高い近代的なスタイルで評価は高い。カナダのサッカー人気はさほどではないが、アイスホッケー大国で守護神を任される男に賭けてみるのもいいだろう。

長田澪

所属クラブ:フォレンダム(オランダ)
年齢:19

ヨーロッパで「ミオ・バックハウス」の登録名で知られる長田澪(ながたみお)は、知名度こそ高くないもののサッカーファンの間では招集が期待される一人だ。

ドイツ人の父親と日本人の母親のもと日本で生を受け、U-13まで川崎フロンターレの下部組織に所属。その後父親の母国ドイツに渡り、強豪ヴェルダー・ブレーメンで育成された。

細身だが194cmの長身を生かしたプレーが持ち味。これまでブレーメンの下部組織でプレーしてきたが、今季オランダ1部のフォレンダムに貸し出され、チームは下位に沈んでいるもののブレーメンの幹部は「順調に成長している」と目を細める。

日本代表、鎌田不在なら「トップ下」に呼ぶべき5名

U-15~U-20までドイツ代表に選ばれている。だが昨年暮れに日本代表の練習に姿を見せて話題となり、鈴木彩艶とも言葉を交わした。鈴木は「僕よりも若い選手で海外でプレーし続けているのは逞しいことだし、負けないようにやっていきたい」と語っている。

実績的には鈴木彩艶と同じくらいだが、ここで一度招集してドイツ側を牽制してみるのもいいだろう。

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