この10年で「下部組織出身選手を最も高く売ってきた」商売上手クラブTOP5

サッカー界において選手の価値はうなぎのぼりに高騰している。そのため若手をどのように育成するか、そしてどれだけ高く売却できるかというところがクラブの運営に大きな影響を与えている。

今回は『The Football Faithful』から「この10年、世界で最も収益性の高いサッカークラブの下部組織」をご紹介する。

5位:チェルシー

大きな利益を上げたアカデミー出身者(2014年以降):マルク・ゲヒ、フィカヨ・トモリ、タミー・アブラハム、メイソン・マウントなど

国:イングランド

合計の移籍金:2億9700万ポンド(およそ561.39億円)

ロマン・アブラモヴィッチ氏がオーナーとなってから巨額の資金が投入され、急速にビッグクラブへの道のりを歩んだチェルシー。その影響はトップチームから遅れること数年、アカデミーの強化という点でも顕著に現れている。

2013-14シーズン以来FAユースカップで5回優勝し、UEFAユースリーグでも2回欧州チャンピオンになっている。マルク・ゲヒは1800万ポンド、フィカヨ・トモリは2500万ポンド、メイソン・マウントは5500万ポンドとかなりの高値で売却した。

4位:レアル・マドリー

大きな利益を上げたアカデミー出身者(2014年以降):アシュラフ・ハキミ、セルヒオ・レギロン、アルバロ・モラタなど

国:スペイン

合計の移籍金:3億900万ポンド(およそ584.07億円)

レアル・マドリーは2014年以降でアカデミー出身者の売却額が3億ポンドを超えた初めてのチームだ。トップチームには多くのスター選手がひしめくクラブであるが、その一方で下部組織も非常に充実しており、スペイン全土にタレントを輩出している。

アシュラフ・ハキミはレアル・マドリーで台頭したあとにボルシア・ドルトムントへ移籍し大ブレイク。さらにセルヒオ・レギロンが2700万ポンド、アルバロ・モラタが6000万ポンドで売却されている。

3位:リヨン

大きな利益を上げたアカデミー出身者(2014年以降):タングイ・エンドンベレ、アレクサンドル・ラカゼット、マロ・グスト、カステロ・リュケバなど

国:フランス

合計の移籍金:3億1500万ポンド(およそ595.41億円)

クラブで最も高く売れた選手TOP10を出せば、そのうち7人がアカデミー出身者。それが育成に長けるフランスの名門リヨンの実績である。

タングイ・エンドンベレやアレクサンドル・ラカゼットは二人で1億ポンドの移籍金を叩き出し、さらに昨年夏にもマロ・ギュストとカルテロ・リュケバが6000万ポンドで売却されており、その若手育成の手腕は驚異的なものがある。

2位:アヤックス

大きな利益を上げたアカデミー出身者(2014年以降):マタイス・デ・リフト、フレンキー・デ・ヨング、ユリエン・ティンベルなど

国:オランダ

合計の移籍金:3億3200万ポンド(およそ627.55億円)

アヤックスは誰もが知っている「人材育成工場」であるし、常にクラブの生き様を示している。定期的にオランダやベルギーの逸材を発掘し、それを売却して多額の利益を上げている。

2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝進出を果たしたチームから才能豊かな選手たちがビッグクラブへと羽ばたき、さらに昨年にはユリエン・ティンベルが3400万ポンドでアーセナルへと引き抜かれている。

1位:ベンフィカ

大きな利益を上げたアカデミー出身者(2014年以降):ジョアン・フェリックス、ルベン・ディアス、レナト・サンシェズ、ゴンサロ・ラモスなど

国:ポルトガル

合計の移籍金:4億4200万ポンド(およそ835.47億円)

EURO2024で「大ブレイク必至の若手スター選手」10名

アンヘル・ディ・マリアらを輩出したころのベンフィカは、ブラジルやアルゼンチンから選手を獲得して成長させて転売していたが、近年ではポルトガル人の選手を数多く育成し、大きな利益を上げている。

ジョアン・フェリックスは1億1300万ポンドでアトレティコ・マドリーに移籍し、ルベン・ディアスやレナト・サンシェズ、ゴンサロ・ラモスが高値で売却された。さらにジョアン・ネヴェスやアントニオ・シウヴァなどが次に控えており、この記録は更に伸びることは間違いない。

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