氷見、公費解体800件超 被災建物撤去に長期間

氷見市が公費解体撤去を予定する倒壊建物=氷見市姿

 氷見市で能登半島地震の被災建物の公費解体が800件以上となり、撤去工事の期間が長期に及ぶ見通しとなった。罹(り)災証明の発行状況に基づくもので、12日の市議会本会議で市側が明らかにした。

 公費解体の対象となるのは半壊以上の住宅と、大被害の倉庫・納屋。公費解体の申請は11日時点で154件となっている。ただ、罹災証明発行は住宅の半壊以上が583件、大被害の倉庫が234件を数え、800件を超えた。申請締め切りは6月30日で罹(り)災証明の発行に伴い、さらに増えるのは確実だ。

 建築物の倒壊危険度を調べる「応急危険度判定」は「危険」と「要注意」の建物が約1100件で、市側は公費解体件数が同程度になる可能性もあるとする。

 半壊以上の建物は海沿い地域が目立つ。工事の本格着手は来月以降になるが、姿地区の住宅と納屋、倉庫は緊急性が高いとして月内に撤去するため、発注準備を進めている。

 氷見市は液状化が見られる中心部の住宅街などでは複数物件をできるだけまとめて解体したい考え。公費解体は被災建物が行政が早期に解体することで、倒壊などによる二次災害を防ぐのが目的。氷見市では全ての解体工事が完了するには数年程度かかる可能性が高い。

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