ゆかりアニメで高岡発信 全国から聖地巡礼「大室家」とコラボ

高岡の観光地を背景に、大室家のキャラクターが描かれた限定ミニカード(©なもり・一迅社/「大室家」製作委員会)

 県西部ゆかりのアニメ・漫画などを活用し、地域活性化を推進する「呉西地域コンテンツツーリズム協議会」は16日、初の連携事業として高岡市が風景のモデルとなったアニメ映画「大室家」を題材にした観光周遊キャンペーンを始める。市内の飲食店や施設の買い物客に限定カードを配布するほか、地元事業者とのコラボグッズも展開し、全国のファンに高岡の魅力を発信する。

 大室家は、3姉妹の日常生活を面白おかしく描いた作品で、2月の公開開始後、風景に登場する高岡周辺の施設や店舗には、全国から聖地巡礼のファンが訪れている。6月には第2弾も公開予定となっている。

 限定カードでは、国宝の瑞龍寺、勝興寺や雨晴海岸といった高岡の観光地を背景にキャラクターが描かれている。10種類あり、全て集めるとクリアファイルももらえる。

 対象店舗の一つである「戸出ジェラート」(戸出町)では、牛乳が好きなキャラクター「大室花子」にちなみ、市内の酪農業「クローバーファーム」の生乳を使ったコラボ牛乳を販売する。16日から4月15日まで。

 キャンペーンは「大室家@高岡」と銘打ち、16日から5月6日まで、市内11カ所の店舗、施設で展開する。県西部に住む地域おこし協力隊や飲食店主、伝統工芸の職人らで設立した協議会が映画の製作委員会と連携して企画。賛同する事業者の協力も得た。

 参加店舗はいずれも城端線・氷見線、万葉線、あいの風とやま鉄道、バスなどでアクセスできる場所となっており、公共交通の利用促進にもつなげる。

 協議会は12日、高岡市駅南の喫茶店「らんぶる」で第1回会合を開き、今後の企画を協議した。事務局で高岡市地域おこし協力隊の加藤木守さん(41)は、「地元で愛される店や名物を知ってもらうとともに、地元民にも高岡の魅力を再発見してほしい」と期待を込めた。今後はアニメ、漫画を中心に、伝統芸能や文学といったコンテンツにも触れていきたいとした。

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