若林晃弘と郡拓也が通算20度目 巨人と日本ハムのトレード史

ⒸSPAIA

阿部体制3度目のトレード

プロ野球の新シーズン開幕まで約2週間。各チームで一軍生存サバイバルが激化するなか、巨人と日本ハムが動いた。

巨人は11日に日本ハムとのトレード合意を発表。若林晃弘を放出し、見返りとして郡拓也を獲得した。

若林は桐蔭学園高から法政大、社会人のJX-ENEOSを経て2017年ドラフト6位で巨人入り。登録は内野手も捕手以外はどこでもこなすユーティリティとして重宝され、昨季までの6年間で通算330試合に出場した。

郡は帝京高から2016年のドラフト7位で日本ハムに入団。こちらも本職は捕手ながら内外野どこでも守れる器用さがウリで、一軍通算出場は78試合。ともに近年は出場機会が減少していただけに、新天地での奮起に期待がかかる。

今季から阿部慎之助新監督の体制となる巨人だが、昨年11月にはアダム・ウォーカーをソフトバンクに放出し、見返りとして高橋礼と泉圭輔の2投手を獲得。さらに翌日にはオリックスから金銭トレードで近藤大亮も獲得しており、今回は新体制となってから早くも3度目のトレード成立となった。

課題の投手だけでなく、捕手も含めた複数ポジションを守ることができる万能選手を迎え入れて新シーズンの開幕に備えている。

巨人と日本ハムのトレードは通算20度目

かねてから選手の移動が多い巨人と日本ハム。近年こそ2021年に中田翔が無償トレードで巨人に移ったのが最後で、今回が3年ぶりのトレード成立となったが、2010年代は合計7件のトレードを実施するなど活発に選手が行き来していた。

振り返ってみると、1975年に高橋一三、富田勝(ともに巨人)と張本勲(日本ハム)のトレードが成立したのを皮切りに、今回の若林と郡が通算20件目のトレード成立だった。

はじまりが7度の首位打者に輝いた張本というインパクトの大きな移籍だったものの、以降も巨人で長らくレギュラーを張った二岡智宏や最多セーブのタイトルを獲得していたMICHEAL(巨人での登録名はマイケル中村)、ベストナイン受賞歴のある高橋信二にかつてのパ・リーグMVP左腕・吉川光夫など、大物の名前も少なくない。

一方、その吉川をはじめ須永英輝や鍵谷陽平らトレード移籍後に再びのトレードか自由契約からの再契約で古巣に戻るパターンも増加中。今回の若林と郡はどんな歩みとなるだろうか。

巨人←→日本ハムのトレード史

▼ 1975年
巨:高橋一三、富田勝
↑ ↓
日:張本勲

▼ 1977年
巨:山下司
↑ ↓
日:なし(無償)

▼ 1985年
巨:西本和美
↑ ↓
日:山本勝哉

▼ 1989年
巨:角三男
↑ ↓
日:なし(無償)

巨:山﨑章弘
↑ ↓
日:金銭

▼ 2003年
巨:入来祐作
↑ ↓
日:井出竜也

▼ 2004年
巨:河本育之
↑ ↓
日:中村隼人

▼ 2005年
巨:金銭
↑ ↓
日:伊達昌司

▼ 2006年
巨:岡島秀樹
↑ ↓
日:實松一成、古城茂幸

▼ 2008年
巨:林昌範、二岡智宏
↑ ↓
日:MICHEAL、工藤隆人

▼ 2009年
巨:岩舘学
↑ ↓
日:金銭

▼ 2010年
巨:ウィルフィン・オビスポ
↑ ↓
日:須永英輝、紺田敏正

▼ 2011年
巨:金銭
↑ ↓
日:高橋信二

▼ 2013年
巨:市川友也
↑ ↓
日:金銭

▼ 2015年
巨:須永英輝、矢野謙次
↑ ↓
日:矢貫俊之、北篤

▼ 2016年
巨:大累進
↑ ↓
日:乾真大

巨:公文克彦、大田泰示
↑ ↓
日:吉川光夫、石川慎吾

▼ 2019年
巨:吉川光夫、宇佐見真吾
↑ ↓
日:鍵谷陽平、藤岡貴裕

▼ 2021年
巨:なし
↑ ↓
日:中田翔

▼ 2024年
巨:若林晃弘
↑ ↓
日:郡拓也



© 株式会社グラッドキューブ