『マルス』元祖“マルス”のウドは戸塚純貴だった 道枝駿佑との“友情”で激アツ展開に

クロッキー社のアプリをダウンロードしたスマホが一気に使えなくなるサイバーテロの濡れ衣を掛けられた動画配信集団“マルス”が桜明学園に立てこもった『マルス-ゼロの革命-』(テレビ朝日系)第8話。

このクロッキー社の國見(江口洋介)の自作自演を暴こうと、“ゼロ”こと美島零(道枝駿佑)は小見山教頭(岩松了)に偽物のナイフを突きつけ、彼を学校まで呼び出し直接対峙に持ち込もうとする。國見が国内最大手の総合流通企業・エンダーグループの会長・西城澪子(原田美枝子)に話していた「平和ボケに浸かった日本国民の目を覚ませるため窮地に追いやらせる国家転覆」についてつらつらと語る音声を報道陣の前で流す。それでも國見はここぞとばかりに、アプリのセキュリティ担当は政府であり、自分たちが最初から担当していればこんなことは起こらなかった、とこぼす。

ここでまさかのファインプレーを見せてくれたのは“事なかれ主義”の小見山だ。マルスの着ぐるみを着て警察が待ち構える校舎外に出ておとりになっている間に、“マルス”のメンバー全員を逃す。逃げ込んだ先はゼロのアジトで学校にも別の住所を伝えてあるのだと言う。

ゼロが誰か協力者とたえず連絡を取り合う様子が差し込まれていたが、その相手こそ元祖・“マルス”のメンバーだったウドで、整形しクロッキー社に就職した國見の側近・大城大木(戸塚純貴)だった。國見を学校におびき寄せている間に、大城は社長室でクロッキーのアプリに不正ウイルスが仕込まれていた証拠やウイルス除去アプリ「ゼウス」のデータを無事に保管。しかしゼロと落ち合う予定の場所に一足先にやってきたのは、全てお見通しの國見だった。大城がウドであることも把握しており、わかっていながら使い勝手の良い駒として散々利用してきたようだ。敵を近くに置いた方が安心だということなのだろう。やけに弱肉強食にこだわる國見も、父親の会社が巨大な組織に飲み込まれ敗れて行った様子を目の当たりにした過去を持つようだ。

何も知らずにやってきたゼロは逃げるも、これまた國見にとっては都合の良い展開で、まずいことがあるから逃げている逃亡犯だとゼロのことを印象操作するのだろう。大城とゼロが1年間緻密に準備してきた計画もここまでか。次なる一手は何か。元祖・マルスと現マルスのメンバーが手を合わせた時、今度こそ倉科エリ(大峰ユリホ)の無念は晴らせるのか。

“アイコン”こと逢沢渾一(板垣李光人)が言う通り、皆で築き上げた時間や思い出の証こそが個人情報に繋がり、それを何者かに横取りされたり便乗されるというのは悔しいという言葉や感覚を今一度胸に刻みたい。次週いよいよ最終話。大きな闇と闘い続けた高校生集団の争いはどう決着するのだろうか。
(文=佳香(かこ))

© 株式会社blueprint