フェラーリF1、レッドブルのトップエンジニア4人に注目。引き抜きを図るとイタリアメディアが報道

 イタリアのメディアが伝えたところによると、フェラーリはレッドブルの著名エンジニア4人の注意を引きつけ、彼ら全員、もしくは数人をマラネロに誘い込もうとしているという。

 フェラーリがミルトンキーンズでトップ人材をヘッドハンティングしているといううわさは昨年から飛び交っているが、スクーデリアによる引き抜きが成功すれば、レッドブルのエンジニアリング部門に大きな影響を与える可能性がある。その上、こうした記事が報じられたのは、レッドブル・レーシング内の政治的混乱が続いているさなかのことだ。

レッドブルF1のテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェ

 昨年、フェラーリはレッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェにイタリアへ移るよう説得した。ワシェは今もレッドブルに所属しており、フェラーリの試みが失敗したのかもしれないが、1年以上先の移籍で合意しているという説もある。イタリアの『Gazzetta』によると、今ではレッドブルの技術チームにいる4人の著名な人材もフェラーリの視野に入っているという。その4人は以下の通りだ。

エンリコ・バルボ:レッドブルの空力責任者。昨年のアゼルバイジャンGPで初めてフェラーリから連絡を受けたと伝えられている。彼の専門知識は、レッドブルとの空力上のギャップを埋めるためのフェラーリの取り組みに大きな恩恵をもたらす可能性がある。

デビッド・モーガン:レッドブルのエアロトラックサイドパフォーマンスチームを率いている。6年前にウイリアムズを離脱して以来、レッドブルに所属している。理論上の空力コンセプトを現実世界のパフォーマンス向上につなげるという彼の経験は、フェラーリにとって非常に有益なものとなるだろう。

ベン・ウォーターハウス:レッドブルのパフォーマンスエンジニアリング責任者。圧倒的優位を誇るレッドブルのRB19およびRB20の内部構造を深く理解している。彼を引き入れれば、レッドブルの成功を再現するという挑戦において、フェラーリに大きなアドバンテージが与えられるだろう。

アレッサンドロ・ゲルマーニ:空力性能のシミュレーションと最適化に不可欠な分野である計算流体力学(CFD)の専門家と報じられている。CFDソフトウェアと、それをF1マシン設計に応用するための彼の知識は、フェラーリに大きな変革をもたらす可能性がある。

2023年F1第2戦サウジアラビアGP表彰式 左から2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ベン・ウォーターハウス(レッドブル パフォーマンスエンジニアリング責任者)、優勝セルジオ・ペレス(レッドブル)、3位フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

 フェラーリは、これらの主要人材を獲得することでレッドブルとの差を埋め、チャンピオンシップタイトルに挑戦したいと考えている。しかし、レッドブルが戦わずして主要な技術者を手放すことはまずあり得ない。レッドブルは有利な契約とチームでの明るい未来を約束することで対抗する可能性が高く、ふたつの巨大レーシングチームの間で大金を賭けたチェスゲームが行われることになる。

 一方ルイス・ハミルトンは、将来所属するチームが重要な技術スタッフの獲得によって自らを再構築し改善を図るなかで、開発に細心の注意を払うだろう。フェラーリでの今後の人事決定は、2025年以降のハミルトンのチャンピオンシップ争いに大きな影響を与える可能性がある。

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