アーム株、IPOのロックアップ解除に注目 12日は2%高

Chibuike Oguh

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 12日の米国株式市場で、ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングスは2.1%上昇した。新規株式公開(IPO)に関連するロックアップ期間終了後の取引増加に市場は身構えている。

ほとんどのIPOには最長6カ月のロックアップ期間が設けられ、その間は会社関係者や既存投資家による株式売却が禁止されるため、取引可能な株式数が通常、制限される。

昨年9月のIPO以降、アームの発行済み株式のうち9.5%のみが取引可能だったが、12日のロックアップ解除に伴いより多くの投資家が保有株を売却できるようになるとみられる。

LSEGのデータによると、ソフトバンクGはアーム株の90%に当たる約9億3000万株を保有。12日のアーム株の出来高は約1810万株、25日移動平均は約2850万株だった。このように売買可能な株式が少ない場合、株価が大きく変動する可能性がある。

アームの株価は2月の決算発表以降、人工知能(AI)向け半導体設計の需要増を追い風に68%上昇した。

ランニング・ポイント・キャピタルのマイケル・アシュレー・シュルマン最高投資責任者は「期間終了を前にロックアップが株価の重しになってきたようだが、2月の上昇を下回る水準に押し下げるほどではない」と指摘。その上で、大きな不確実要素はソフトバンクGがまだ保有しているアーム株90%についてどうする意向かだと述べた。

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