岡山放送、3月3日「耳の日」に合わせ自社番組で全編手話放送を実施 / Screens

岡山放送株式会社(本社:岡山市北区下石井二丁目10-12 、以下OHK)は、3月3日「耳の日」に合わせ、手話への理解や普及を目指そうと3月1日(金)、ニュースや情報番組などOHKが制作するすべての生放送番組において手話放送を実施した。

OHKは、1993年より“手話は言語”を理念に、聴覚障がい者・手話通訳士・テレビ局の3者で「OHK手話放送委員会」を立ち上げ、的確な手話表現を追求しながら手話放送番組「手話が語る福祉」の放送を継続している。また国連が定める「手話言語の国際デー」である 9月23日には、シンポジウムやキャンペーンなどを2021年より実施し、手話言語が音声言語と対等であることを広く呼び掛けてきた。

さらに今年2月には「第76回香川丸亀国際ハーフマラソン」で全国初の手話実況付き生中継を行うなど、情報アクセシビリティ活動を推進している。耳の日の取組は、聴覚障がい者や手話通訳士の方々から「ニュースだけでなく娯楽番組に手話をつけて欲しい」など、情報番組における手話放送のニーズがあったことから2022年に初めて実施したもので、今回が2回目。

ニュース番組では、その日起こった出来事や特集、天気情報など生活に密着した情報を発信しているが、文字テロップや映像だけでは伝わらない音声情報を手話を通じて届けた。

ニュース番組の様子

情報番組では、この取組に賛同した地元スポンサー2社が手話協力として協賛。1時間全編にわたり3人の手話通訳士が、台本にない会話や笑いを的確に捉えて手話通訳したり、本番直前にネタ合わせが行われた漫才を、表情や体の動きを交えて手話表現したりした。

手話協力のスポンサー表示 / 漫才の様子(右下が手話通訳)

ろう者にとって的確な情報を絶妙なタイミングで届ける技術は、これまでスポーツの手話実況や様々なイベントなどを通じ培ってきたOHK独自のノウハウで、これにより誰もが同じタイミングで情報を得ることができる環境を創出。OHKはこれからも放送局として誰もが情報にアクセスできる環境づくりを推進し、「情報から誰一人取り残されない社会」の実現へ努めていくという。

※【3月3日・耳の日とは】
難聴と言語障がいをもつ人々の悩みを少しでも解決したいという社会福祉への願いから始められたもので、日本耳鼻咽喉科学会の提案により、1956年に制定されました。

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