【佐伯】「佐伯市からのお知らせです―」。同市の防災・行政ラジオから毎日午後3時に流れる約1分間の放送が、多彩で聞きやすく進化している。市職員が交代で出演し、防災に関する情報を発信。工夫を凝らして市民の関心を高め、防災意識の向上を図っている。
防災・行政ラジオは屋外の防災スピーカーと同じ内容を聞くことができる室内用の受信機。今年2月時点で約2万個を無償で貸し出しており、普及率は72%に上る。
ラジオを管理する防災危機管理課で防災システムを担当する志手祐司副主幹(45)によると、当初は午後3時に起動点検のチャイム音が流れるだけだった。新型コロナウイルス禍の2021年、地域のラジオ局の協力で感染防止対策の情報提供を開始。22年度は志手副主幹が1人で防災情報を伝えた。
本年度からは同課職員が順番で放送を担当している。内容は▽避難訓練の呼びかけ▽防災メール・アプリ紹介▽避難場所の確認―などさまざまで、2週間ごとに変更。職員はできるだけ滑らかに読み上げることを心がけているという。
全員体制になってから「聞きやすくなった」「楽しみにしている」といった声や、放送内容に関する質問が寄せられるようになった。
志手副主幹は「市報やホームページだけではカバーできなかった人たちにも声が届いていると感じる。緊急時に備え、普段からラジオに親しんでほしい」。今後も役に立つ放送を続け、さらなる普及率アップにつなげたい考えだ。