約70年周期で太陽に接近 「ポン・ブルックス彗星」の撮影に成功 鳥取市のアマチュア天文家、多賀利寛さん

70年ぶりに太陽系内部に回帰しているポン・ブルックス彗星=多賀利寛さんが10日午後7時26分、鳥取市河原町小倉で撮影

 約70年の周期で太陽に接近する「ポン・ブルックス彗星(すいせい)」が明るさを増し、鳥取市富安のアマチュア天文家、多賀利寛さん(72)が10日夜、同市内で撮影に成功した。有名なハレー彗星(周期76年)に匹敵する注目の周期彗星で、緑色の核からたなびく尾も確認された。次に観測できるのは2095年となる。

 ポン・ブルックス彗星は1812年にフランスの天文台で発見された。1883年に米国で発見された彗星と同一であることが分かり、周期約70年の周期彗星に登録された。急激に明るくなるアウトバーストと呼ばれる現象を繰り返す特異な天体でも知られる。

 1954年以来、70年ぶりに太陽系内部に接近。多賀さんは好天となった10日午後7時半前、鳥取市河原町小倉の私設天文台で西北西のアンドロメダ座で彗星を撮影した。明るさは6等台だった。

 今後おひつじ座に向けて移動し、4月20日には太陽に最接近して4等級程度に明るくなる予定だ。多賀さんは「月明かりなどで観測しづらい日があるが、視野の広い双眼鏡でぼーとした光が見える可能性がある」と世界が注目する彗星の観測を呼びかけている。

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