委員がオンラインで出席 三重県議会常任委、条例改正後初

【山内委員長がオンラインで出席した教育警察常任委=県議会議事堂で】

 三重県議会は12日、政策企画雇用経済観光、環境生活農林水産、教育警察の各常任委員会を開いた。教育警察常任委では、新型コロナウイルスに感染して議事堂に登庁できなかった山内道明委員長が、自宅からオンラインで出席した。新型コロナなどへの感染時に備えて令和2年11月に改正した委員会条例に基づく対応。委員のオンライン出席は初となった。

 <教育警察=山内道明委員長(8人)>  県警は能登半島地震での支援活動を報告。2月末までに20部隊の計184人を被災地に派遣し、被災者の救助や防犯などに当たったと説明した。

 県警によると、警察職員の派遣は石川県警からの要請で1月3日から実施。県警のヘリコプターで上空から被災の状況を確認したり、避難所で被災者からの相談に応じたりした。

 また、避難して無人になった住宅を狙う空き巣を防ぐため、パトカーでの警戒活動も実施。避難所で性被害などが発生した場合に備え、初動捜査に当たる部隊も派遣したという。

 このほか、県警は南海トラフ地震などの大規模災害発生時に被災者の救助や交通対策などで他県警との協力が欠かせないと説明。合同訓練を通じて連携を強化する考えを示した。

 <政策企画雇用経済観光=芳野正英委員長(8人)>  観光部は県南部に宿泊施設を誘致する来年度事業の詳細について説明。補助金を支出する要件を緩和したり、補助率を高く設定したりして、立地の需要を喚起する考えを示した。

 県によると、熊野古道がありつつも宿泊施設が少ない課題の解消に向けた施策。県南部のうち、伊勢、志摩、鳥羽の各市を除く10市町で新たに立地する宿泊施設に最大5億円を補助する。

 小規模な施設も含めて誘致を促進するため、投資額や雇用者数といった補助の要件は、通常の企業誘致で定めているものよりも緩和。通常は10%程度の補助率も最大で25%に引き上げる。

 村林聡委員(自民党、5期、度会郡選出)は誘致の見込みについて尋ねた。県当局は「立地に一定の声はあるが、伊勢志摩が多いのが事実。南部への立地意欲を喚起したい」と説明した。

 <環境生活農林水産=山崎博委員長(8人)>  農林水産部は、令和7年に県内で開かれる「第44回全国豊かな海づくり大会」の開催に約5億円を要するとの見通しを報告した。稲森稔尚委員(草の根運動いが、3期、伊賀市)への答弁。

 稲森委員は「基本計画に財政負担が書かれていないのは違和感がある。祝賀型イベントに県民の目も厳しいと思う」と指摘。県当局は「全体で約5億円を要すると説明している」と報告した。

 このほか、山本教和委員(自民党、10期、志摩市)は式典の会場となる志摩市阿児アリーナについて「どちらかと言えば陸地にある」と指摘し、放流などの行事に向けた検討状況を尋ねた。

 県当局は「詳細は今後の実施計画で検討していく」としつつ「(阿児アリーナで)式典を開き、午後からは漁港で放流や海上パレードなどの行事を実施する」との見通しを報告した。

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