行政指導…さいたま赤十字病院、医師の診断せず強制入院させていた 匿名情報あり立ち入り検査、カルテ不記載も判明 「無資格者の医療行為」は確認されず 病院が提出した改善計画書、内容が不十分で再提出に

さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

 さいたま赤十字病院(埼玉県さいたま市中央区)の心療科の病棟で、患者を強制的に入院させる際、法律に義務付けられている医師による診断が行われていない不適切な事例が確認され、さいたま市が是正するよう改善計画書の提出を求める行政指導をしたことが12日、分かった。

 市保健衛生総務課によると、2023年4月、医師の資格のない職員による医療行為が行われていると匿名の情報があり、同年4~12月までに計4回、立ち入り検査を行った。検査の過程で、患者を強制的に入院させる「医療保護入院」で、精神保健福祉法に基づく精神保健指定医の診断を事前にしていなかった事例やカルテの不記載が判明、事案が起きた理由の確認を進めている。無資格の職員による医療行為は確認されなかった。

 市は今年2月1日、同病院に改善計画書の提出を求め、行政指導を行った。2月中旬に提出を受け、不十分な内容だったため、3月内に再提出するよう求めたという。

 同病院は取材に対し、「明日(13日)以降回答させていただきます」としている。

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