東京港史上最大のクルーズ客船が初入港 コロナ禍越え海路活用拡大へ

22020年に開業した東京の海の玄関口「東京国際クルーズターミナル」に、東京港としては史上最大の客船が入港しました。コロナ禍を越えて復活を遂げつつある海路の活用は、インバウンド需要の拡大にも影響しそうです。

記者:「クールズ客船ベリッシマが東京港に初めて入港しました。近くで見ると本当に大きいです」

全長約316メートル、乗客定員は5000人を超える大型クルーズ客船「MSCベリッシマ」。東京港に寄港する客船としては史上最大のクルーズ船です。3月12日の初入港に合わせ、その内部が公開されました。

記者:「船内に足を一歩踏み入れるとお店も沢山ありまして、一つの小さな街のようになっています」

船の名前「ベリッシマ」はイタリア語で「最も美しい」を意味していて、船内の至るところでその「美しさ」を感じられます。

記者:「見てください、こちらの階段。1段1段が煌いていて、高級感が漂っています」

船の中心にあるアトリウムには、1段につき640個の宝飾をちりばめた6つの階段があり、ベリッシマの美の象徴ともなっています。さらにエンターテイメント施設も充実しています。

記者:「中には大きなステージも備えられていまして、ショーが行われるようです。見てください、バスケットコートまで。充実していて、船の中にいるとは思えないですね」

他にも、クルーズ客船としては定番のカジノや、ウォータースライダーを備えたプールなど、船の長旅を満喫する様々な施設があります。船内で行われたセレモニーには船長や都の職員などが出席し入港を祝いました。

MSCクルーズジャパン オリビエロ・モレリ社長:「長年計画していましたが、やっとこの日が来ました。ただ、これで終わりではありません。私たちはすでに秋に向けて、新しい計画を立てています」

東京港への寄港は元々2020年から計画されていましたが、翌年の新型コロナ感染拡大の影響で先延ばしになり、今回4年越しの実現となりました。客船は3月12日午後10時に港を出発し中国・上海へと向かいます。

東京国際ターミナルについて詳しく見ていきます。このターミナルは2020年の9月に誕生しました。ただ、この時には既に新型コロナウイルスの水際対策が始まっていて、オープンから2年半国内のクルーズ船のみの受け入れとなっていました。しかし国内にあるクルーズ船は2隻のみということで、活用できていなかったんです。そして去年の3月、国が水際対策を緩和したことで、国内外合わせ49回の寄港を受け入れることができたということです。これは、新型コロナ流行前に東京港全体で受け入れた36回という寄港数を既に上回っているということで、これからさらに多くの観光客を受け入れることが期待されます。

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