消防団報酬、直接支給へ 県内全市町村、新年度から

山形県庁(資料写真)

 県は12日、県議会総務常任委員会で、消防団の出動報酬について2024年度から県内全35市町村で団員個人への直接支給となることを明らかにした。23年度4月1日時点では32市町村だった。23年度の途中で河北、大石田の両町が切り替わり、山辺町が24年度当初から直接支給となる。出動報酬の引き上げも進み、24年4月1日時点で消防庁が通知した標準額「1日当たり8千円」に該当する自治体は31市町村に増える。

 消防団の報酬・手当を巡っては一部消防団で各自治体から分団や部、班に支給され組織の収入として物品の購入費や懇親会費に充てられていた。個人に行き渡らないことから改善を求める声が全国的に上がり、消防庁は21年4月、団員確保に向けた処遇改善のため、報酬などの標準額を示すとともに、団員に直接支給するよう通知していた。

 山辺町は「国からの通知を受け、本年度までに検討した結果、24年度から個人に直接支給することにした」と述べた。23年度中に切り替えた河北町は「個人口座への振り込みだと、自分が団員だという証しが目に見える。活動のモチベーションにつながってほしい」と話す。同じく23年度中に変更した大石田町は「消防庁の通知を受け昨年6月に切り替えた」とした。

 一方、出動報酬の金額について県は山形新聞の取材に対し、大蔵村が23年度途中に引き上げ済みで、24年度からは新たに米沢、酒田、山辺、三川、庄内、遊佐の6市町でアップすると説明した。標準額に届かないのは天童、金山、鮭川、戸沢の4市町村で、県消防救急課の安達将吾課長は同常任委員会で「基準額となるよう引き続き検討を深めてもらえるように県内、全国の情報を提供していく」と語った。

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