千葉密着・発信型プロレス2AWの無差別級王者・仁木琢郎が3月20日に東京・後楽園ホールにて開催される『GRAND SLAM in 後楽園ホール』で団体の“エース”吉田綾斗の挑戦を受ける。
仁木は強敵である佐藤耕平からベルトを奪取するとこれまで3度の防衛に成功。
無差別級王座を2度戴冠(共に6回防衛)している吉田戦へ向け、挑戦表明を受けた心境や防衛戦への意気込み、防衛を続けている現状や気になる選手などについて語ってもらった。
株式会社コムエル プレゼンツ GRAND SLAM in 後楽園ホール
日時:2024年3月20日(水祝)開場10:30開始11:30
会場:東京・後楽園ホール
▼2AW無差別級選手権試合
《王者》仁木琢郎
vs
《挑戦者》吉田綾斗
①吉田選手から「お前は俺より強いんか?」と挑戦表明を受けた心境
――3度の防衛も成功した、絶好調のチャンピオンですが今回はエースと呼ばれる吉田綾斗戦が決定ました。吉田選手より「お前は俺より強いんか?」。「佐藤耕平を倒したかもわからないけれども、俺にはまだ勝てないだろう」という意が、言葉の中に入っていたと思います。挑戦表明を受けた心境はいかがですか?
仁木 吉田さんがリングに上がってきた時は、正直、嬉しかったです。吉田さんが挑戦したくなるチャンピオン、ベルトになれているという気持ちがあったので。普通に正直、嬉しかったですね。
――それだけ今の仁木選手が魅力的に映ったから、というのはあると思いますが、それは自分でも感じましたか?
仁木 自分でも感じましたね。このベルトに挑戦したいんだな、俺とやりたんだなという。吉田綾斗からのそういう気持ちは、伝わってきましたね。
――吉田戦に向けては、「吉田綾斗を倒さないと2AW中心に立てないんじゃないか」という発言もありました。
仁木 はい、もちろん。自分はベルトを持ってますけど、今のプロレスファンの方は、2AWの顔、2AWと言えば吉田綾斗というのがまだあると思うんですね。それを崩していかないと、自分のためにも、あと2AWの団体の成長もないんじゃないか、というのがあるので。勝って、プロレスファンも納得させたい。2AWの中心は俺だというのを納得させたいという考えはありますね。
――吉田綾斗というエースとチャンピオンが対峙して、自分の時代を懸けた展開になりそうですね。
仁木 ここで負けたら、また時代が戻っちゃうんじゃないかと思っているので。時代は進めていかないと、若い自分たちが2AWを、時代を引っ張っていかないといけないと思っているので。
②吉田戦への意気込み・「真・赤い革命」宣言
――仁木選手から見た吉田綾斗という選手は、どんな存在ですか?
仁木 やっぱり強いですよ。もうずっと中心、先頭を走ってきた人なので。やはり強いですね。本当にプロレスも大好きですし。吉田綾斗、プライベートは仲良いんですけど。
――2AWのエース吉田綾斗戦では、ご自身としても楽しみにされていますか?
仁木 楽しみですね。吉田綾斗とタイトルマッチで戦えるというのは、この2AW入った時には考えられなかったというか、見えなかったですね、そういうビジョンが。
――当時は相当、上の存在という感じでしたか。
仁木 そうですね。ファンの頃から見ていましたね。新日本さん上がっている時は、吉田綾斗というのは知っていましたし。その選手と後楽園ホールのメインで戦えるというのは、すごく感慨深いですね。
――お食事も一緒に?
仁木 食事はたまにですけどね。さっきも言いましたけど、まだ2AWの顔だなという。自分でも思います。まだ自分が顔になれていないんじゃないか、という感じはあるので。その顔を変えたい、自分の意識の中でも変えたいですね。
――浸透するまで時間がどうしてもかかりますからね。
仁木 そうですね。まだ半年も経ってないですかね。まだまだ仁木色に染められていない感じは。
――前回のインタビューでは「赤い革命」宣言もありました。
仁木 赤い革命、まだ改革が起きていないです(笑)
――改革は起きてないですか?
仁木 まだ起きてないですね。
――今日は髪の毛を染めてきた?
仁木 気合を入れてきました。
――赤い革命は継続?
仁木 継続中です(笑)革命は継続。
――レッドレボリューション。
仁木 レッドレボリューションを起こしたいんですけど。
――新しいタオルでしたっけ?
仁木 新しいタオル出ました。だから、吉田綾斗に勝って、真の革命を起こすぞという、前は普通の赤い革命。
――今回は「真・赤い革命」?
仁木 真・赤い革命。
――出ましたね。『プロレスTODAY』しか言わない赤い革命宣言。
仁木 出ました。他で言ってないですからね。
――それだけ特別に。
仁木 大事にしてるんで。
③3度の防衛に成功した現在の王者としての気持ちは?
――師匠であるカズ・ハヤシ選手、そしてライバル、同期である若松大樹選手、そして先輩で乗りに乗っていた吉野コータロー選手を倒した今のお気持ちはいかがですか?
仁木 まだまだじゃないですか。まだ3回ですから。
――まだまだ? 自信的な部分はどうですか?
仁木 自信はもちろん、ついています。
――だいぶ上がってきました?
仁木 最初の頃、それこそ防衛戦じゃなくて、佐藤耕平さんとの試合で本当に気持ち的にも余裕がなくて。本当に試合後も泣いちゃうくらい、気持ちの余裕がなかったんですけど。3回、防衛戦を重ねていくごとに、気持ち的にも余裕が出てきて、それが結果につながっていると自分も感じているので。そういう面で成長はできているかなと、ベルトとともに成長はしていると思いますね。
――当時の佐藤耕平戦に関しては、ギリギリでしたね。
仁木 ギリギリでしたね。でも、全部ギリギリだと思います、タイトルマッチ。自分のスタイル的にもそうなんでしょうけど、技を食らって、やられて、そこから逆転して。それでも立ち上がるみたいな自分のスタイルがあるので。どうしてもギリギリの戦いにはなってしまうかなと、毎回。
④目指すチャンピオン像
――現時点でご自身が参考にしているチャンピオンはいますか?
仁木 参考にしているのは、全日本の宮原さんなんですよ。
――宮原さん? それはどういったところで?
仁木 会場とともに上がっていくみたいな、試合を作っていくみたいな。
――熱量を上げていく?
仁木 熱量を上げて、皆を乗せていくみたいな感じは、参考にはしていますね。
――確かに太陽の陽の雰囲気が両者ともにお持ちだから、そこは共通点がありそうですね。
仁木 ですかね。お手本にはしています。
――入場の時にもう少し入場を長くして。
仁木 そこまで一緒にしちゃうと、全く一緒になっちゃうんで(笑)
――チャッチャ系は入れない?
仁木 チャッチャ系は入れないです。チャッチャ系と言うんですね(笑)ラーメンみたいな。チャッチャ系は入れない。
⑤ファンからの支持
――観客やファンの支持も高い気がしますが、ご自身はいかがですか?
仁木 そうですね。それも感じますし、自分もファンの人とともに王者として作っていきたい。王者像というか、これからもこのベルトとともに、仁木琢郎自体をファンの人と作っていきたいという気持ちはあるので。会場での声援も、ちゃんとしっかり聞こえていますし、そういう声援は助かっていますね。
――先日は若松選手との一戦もありましたが、同世代のライバルの皆さんたちから、以前のインタビューでは「ジェラシーはあまり感じない」とおっしゃっていました。例えば、チチャリート選手も先日、復帰前にインタビューさせてもらったんですが「めちゃくちゃジェラシーを感じる」と。周りの選手はジェラシーを感じているんですよ。王者はそのへんいかがですか?
仁木 あんまり感じないですね。インタビューで言っていましたかね?
――言っていましたよ。今もあまり感じないですか?
仁木 王者としての余裕かもしれません。
――それが仁木琢郎?
仁木 はい。お前らもここまで来いよ、という。
――ご自身の性格的な部分もあるのかもしれないですね。
仁木 ですね。自信がないとできないからという。プロレスラーとしても、チャンピオンとしてメインに立つ人間としても、自信がないとやれないかな、というのはあります。
――自信を付けてきたのは、他団体の参戦や自分の団体もそうですが、外での活躍の評価も大きいですか?
仁木 そうですね。他団体の試合では、うちとは違う戦いもあるじゃないですか。そういうのも経験したり、天龍プロジェクトさんでタッグチャンピオンになったりもありますし。あとは試合数ですね。試合数は2AWも多いですし、他団体さんでも何試合か出させてもらってるので。試合をやることで自分の経験になっていく。そういう面で自信につながっているんじゃないかなという。
――やはりキャリアですか。試合数をこなしていって、だんだん行けるなという。
仁木 と思います。
――レスラーはそうですよね。
仁木 練習では経験できない。いくら練習やっても試合をやらないと、経験できないものがあるので大事です。試合数が多い。それで2AWを選んだというのもあるんで。
――当時、WRESTLE-1では後期は試合数が少なかった印象が。
仁木 試合数は少なかったですね。月に4試合くらいですか。
――本当に今、力をつけて。会場の空気感も自分に引き寄せてきていると思います。吉田選手にもインタビューさせていただきましたが、「仁木の試合は好きだ」とおっしゃっていて。そういう部分は純粋に聞いてみていかがですか。「自分の試合が好きだ」と言われているのは?
仁木 嬉しいですよ、嬉しいです(笑)。自分がやってることが間違いなんだな、というか。先輩やファンの人が盛り上がってくれると、自分のプロレスに間違いないというか。それも自信につながりますね。
――某紙では十枝会長が答えられています。「仁木琢郎を中心とした2AWを」という。
仁木 まだ読んでないです、自分。
――吉田選手にこの話しをしたところ、「自分がもし経営者だったら同じこと言います」と言ってましたね。一選手とした場合は「そうはいかんぞ」と思うけど、もし経営者としたら、新しいいい面も含めて、仁木選手を推していきたいという。十枝会長から「頑張って盛り上げてくれよ」という声に対しては、どんなふうに感じますか?
仁木 そういう感じを直接、出されたことはない。どちらかと言うと「お前はダメだな」という感じのことを、いつも言ってくるんで(笑)でも、気にかけてくれているというのは感じます。電話もかかってくるので。全く仕事に関係ない電話も、自分はロッテファンなんですけど、ロッテがその日勝ったか負けたかを聞くために電話がかかってくる感じの会長なんで。
――会長もロッテファンなんですか?
仁木 会長もロッテファンらしいですね。千葉なんで。
――負けたらイヤですね。
仁木 はい。「お前が行くからダメなんだ」という(笑)
――それは大変ですね(笑)
仁木 観に行ってる時に負けたら「お前が行ってるから勝てねえんだよ」という。そういう部分でも気にかけてくれているのかなと思います。
――団体の大黒柱に今、なりつつある存在なので。そこは強く千葉の皆さんにも知らしめていきたい思いがあるんでしょうね。
仁木 はい。
⑥気になる選手は?
――今、2AWや他団体関係なしに、気になる選手はいらっしゃいますか?
仁木 2AWだと、真霜拳號、滝澤大志というのは、前の団体、KAIENTAI DOJOからトップを引っ張ってきたじゃないですか。さっきの話ですけど、ファンの人の中では、まだ真霜、滝澤、吉田というイメージの人が多いと思うので。そこを変えるためにも、今度は吉田さんですけど、真霜拳號、滝澤大志は2AWの中では気になるというか、やってみたい。
――倒さないといけない相手ですよね。
仁木 越えないといけない壁かなという。他団体だと、毎回言ってるのは藤村加偉なんですよ。レスラーの同期の。最近、ケガ(右橈骨骨折)しちゃってるんですけど。
――1月から欠場ですね。
仁木 何回も繰り返しケガしちゃってるんで。
――ちょっと心配ですね。
仁木 復帰して、ケガして、復帰して。そうですね、心配という面と、「またやりたいな」という面はありますね。
――確かにプロレスは大河ドラマなので、リングに立っているとどこかで交わる可能性があると思うので。
仁木 そうですね。WRESTLE-1が活動休止(2020年4月)してまだ4年ですか、まだ早いですかね、やるには。
※活動休止前最後の興行
――もうちょっと。
仁木 もうちょっと寝かしますか。
――10年くらい寝かした方がいい味出ます。言ってあげるとエールになると思うので。連絡は取ってるんですか?
仁木 連絡はしましたね。ケガした時は。藤村さんがケガした時は、LINEは入れましたけど。
――何ておっしゃっていました?
仁木 その時はすごく落ち込んでましたけど。「ありがとう」とは言われましたね。
――いい選手なので、ケガは心配ですね。
仁木 藤村さんだけに限らずそうですね。GLEATの頓所(準)さんとか、渡辺壮馬とか、チェックしてますね。
――同じ釜の飯を食った昔の仲間(元WRESTLE-1)は今どうかなという。
仁木 本当そうですね。
――皆があの頃、一緒に汗を流した人たちが徐々に世代が上の人たちを脅かす存在になっているのは、気持ちがいいでしょう?
仁木 気持ちいいです。見る回数が多くなったという。いろいろな所に出てるので、いろんな選手が、目に入る回数がすごく多くなって。それがいいことですね。
――そう思うと、団体最高王者という部分では、仁木さんが初めてかもしれないですね。
仁木 そうですね。若手というか、その時の。
――その時のメンバーからすると。
仁木 そうかもしれないです。
⑦大会に向けてメッセージ
――では最後に大会に向けてのメッセージをお願いいたします。
仁木 さっきも言ったんですけど、吉田綾斗を越えないと、2AWの未来と2AW無差別級王者仁木琢郎の未来がないので。勝って、自分たちのわれわれ世代に新しい風を、2AWにも吹かせたいと思うので。試合もファンの人と一緒に戦って、必ず勝ちたいと思います。なので、ファンの人に力を貸してほしいですね。タオルを掲げて、仁木コールをしてほしいです。
インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)
株式会社コムエル プレゼンツ GRAND SLAM in 後楽園ホール
日時:2024年3月20日(水祝)開場10:30開始11:30
会場:東京・後楽園ホール
【対戦カード】
▼2AW無差別級選手権試合
《王者》仁木琢郎
vs
《挑戦者》吉田綾斗
▼株式会社WARP プレゼンツ 2AW タッグ&NWAインターコンチネンタルタッグ ダブル選手権試合
《第15代 2AWタッグ王者組》真霜拳號&ナカ・シュウマ
vs
《第48代 NWAインターコンチネンタルタッグ王者組》佐藤嗣崇(プロレスリングZERO1)&松永準也(プロレスリングZERO1)
▼シングルマッチ
関本大介(大日本プロレス)
vs
若松大樹
▼タッグマッチ
青木いつ希(ショーンキャプチャー)&笹村あやめ
vs
梅咲遥(ワールド女子プロレス・ディアナ)&高瀬みゆき(フリー)
▼タッグマッチ
本田アユム&CHANGO(フリー)
vs
チチャリート・翔暉&中野貴人(プロレスリングBASARA)
▼10人タッグマッチ
リッキー・フジ&超人勇者Gヴァリオン&滝澤大志&大谷譲二(P.P.P.TOKYO)&ケリー・シックス
vs
担々麺造&チーバヤン&脇田真一朗&キーガン・ブレットル&エイリース
▼花見達也 凱旋試合 3WAYタッグマッチ
最上九&吉野コータロー
vs
花見達也&十嶋くにお
vs
梶トマト(飯伏プロレス研究所)&岩本煌史(フリー)
◆大会詳細は公式サイトにて
https://www.2aw.jp/schedule/20240320_gskourakuen/
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