オーロラに魅せられて やましん南極通信部

夜空に輝くオーロラ。多くの隊員が夢中になって撮影していた=10日午後10時46分(日本時間同日午後11時46分)、南極海

 【インド洋=報道部・小田信博】南極観測船「しらせ」に乗船中、観測隊員や乗組員が心待ちにしていたのが、空に輝くオーロラの観賞だ。第65次隊は残念ながら天候や条件に恵まれず、目にする機会は少なかったが、3月に入って何度かチャンスに恵まれた。

 「オーロラが出た」。夜中に短い船内アナウンスが流れると、急いで甲板に上がるのが恒例だ。航行中は船が揺れるため、夜空に浮かぶ光のカーテンをカメラに収めるのに四苦八苦する隊員らの姿が多かった。オーロラと同じくらい目を奪われたのが、頭上を流れる天の川だ。無数の星々が夜空を覆い、見上げてみると、幻想的な光景に吸い込まれそうだった。

 第65次南極観測隊を乗せ、北上中の「しらせ」は12日、南緯55度を越え、南極圏を離れた。見慣れた氷山群や流氷は姿を消し、大海原が広がるばかりとなった。18日に寄港地のオーストラリア西部・フリマントルに入港する予定だ。

© 株式会社山形新聞社