【3/20(水)開催】倉敷管弦楽団演奏会 ~ なじみのあるクラシックの名曲と、窓ぎわのトットちゃんの音楽物語を親子で楽しもう

日常生活で楽器の生演奏を耳にする機会は、めったにないと思います。

筆者の中学・高校時代は、放課後や行事の出し物で吹奏楽部の演奏を聴くこともありましたが、大人になったいま、合奏を聴く機会がぐっと減ったように感じています。

そんなある日、倉敷音楽祭倉敷管弦楽団の演奏会があると教えてもらいました。演奏されるのは市民のかたがただそうです。

久しぶりに身近に感じたクラシックのコンサート、いったいどのような内容なのか早速取材してきました。

倉敷管弦楽団演奏会とは

倉敷管弦楽団演奏会チラシ 画像提供:倉敷管弦楽団

倉敷管弦楽団演奏会は、第38回倉敷音楽祭のひとつとして2024年3月20日(水・祝)に開催される公演です。

演奏する倉敷管弦楽団は1974年に設立された市民オーケストラで、地域に根差した活動を続けて2024年で創立50周年を迎えます

公演の前半は、運動会のBGMでよく使われる天国と地獄」や、吹奏楽コンクールの自由曲として知名度の高いサムソンとデリラ」など、親しみやすいクラシックの名曲が演奏されます

後半は、黒柳徹子(くろやなぎ てつこ)さんの名著「窓ぎわのトットちゃんの音楽物語です。音楽だけでなく、語りとともに「窓ぎわのトットちゃん」のストーリーが楽しめるプログラムとなっています。

場所は倉敷市民会館ホールでおこなわれ、開場は午後2時、開演は午後3時です。

チケットは一般が1,000円で大学生以下が500円ですが、倉敷市内の小中学生は500名まで無料で観覧できます

詳しくは下の画像をチェックしてください。

小中学生無料の申込要項 画像提供:倉敷管弦楽団

聴いたことのある名曲や音楽物語の演奏など、親しみやすく誰でも楽しめそうな内容です。

今回の公演の見どころを、倉敷管弦楽団の広報担当 西島弥生(にしじまやよい)さんにインタビューしました。

インタビュー

倉敷管弦楽団 広報担当 西島弥生さん

──倉敷管弦楽団について教えてください。

西島(敬称略)──

倉敷管弦楽団は、「美しい音色と良いアンサンブルで質の高い演奏を」を合言葉に1974年に設立された市民オーケストラです。

年1回開催される定期演奏会と今回の倉敷音楽祭の出演を主軸に、地域に根差した活動を続けて今年(2024年)で50周年を迎えます

演奏会のようす 画像提供:倉敷管弦楽団

現在は91名のメンバーが所属していますが、学生時代に吹奏楽部だったかたや、音楽大学で学ばれたかただけではなく、大人になってから始められたかたも参加しています。年齢層も、20代から70代までと幅広いですね。

プロのオーケストラで活躍されている指揮者のかたからご指導を受けることもあり、本格的なオーケストラの音楽をお届けするために練習しています。

地域で50年も活動を続けている楽団なので、倉敷にゆかりのある音楽関係者のかたがたとのつながりも深いものになってきました。

地域のいろいろなご縁をつなぎながら、演奏会をさせていただいています。

──選曲はどのように決めていますか?

西島──

楽団の中に選曲委員会というものがあり、そのときの時代の流れや、楽団からみなさんに届けたい想いを加味して曲を選んでいます。聴いたことがあるような、馴染みのある曲を選ぶことも多いですね。

ちなみに前回の演奏会では、スタジオジブリの音楽を演奏しました。

1,400人超のかたに来ていただいたのですが、ステージ上から観客席を見るとほぼ満席の印象でしたね。

そのときも小中学生を無料でご招待していたので、お子さま連れで来てくださったかたが多かったです。

親子で明るい気持ちで帰っていただけるような演奏会になるんじゃないかなと思っています。

──音楽物語「窓ぎわのトットちゃん」はどんな内容ですか?

西島──

音楽物語は、登場人物の心情や行動を音楽で表現し、その演奏とともに、語り手が抜粋された言葉を臨場感のあるナレーションで伝えます。

今回演奏する「窓ぎわのトットちゃん」は、黒柳徹子さんの子ども時代の自伝的エッセイです。
35か国で翻訳されていて、世界でもっとも多く発行された自叙伝としてギネス世界記録にも認定されています。

物語のなかで印象的なキャラクターが何人も登場しますが、そのなかでも私が印象に残っているのは、小学校になじめなかったトットちゃんに「あなたは本当は良い子なんだよ」とずっと語りかけていた校長先生です。

誰しも、自分を認めてもらえないっていうのはすごく不幸なことですよね。
でも、相手の違いをきちんと認めて尊重しあうような、そういう優しい気持ちが根本にあれば、みんなが幸せになれるのでは……という思いがあります。

不安定ないまの世の中で、こういうメッセージを倉敷管弦楽団がオーケストラとして発することに、とても意味があると思うんです

練習のようす 画像提供:倉敷管弦楽団

団員ひとりひとりが本を読んで、自分なりに内容をかみ砕いて、登場人物の心情を音に乗せてみなさんにメッセージを届けます。
さまざまな音色を感じていただけたらうれしいです

本を読んでから来ていただくと、より物語の情景が浮かんでくるのでさらに楽しめるかなと思います。

──どんなかたにおすすめしたいですか?

西島──

全世代のかたにぜひ来ていただきたいですね。

とくに窓ぎわのトットちゃんは、生まれ育った時代や世代によって、感じかたが違い、新しい気づきもあると思うので、ご家族で感想を話し合うのもより楽しめるかなと思います。

生のオーケストラの演奏を聴く機会って少ないと思うので、各楽器の音の感触を楽しんでいただきたいです。

──読者のかたへメッセージをお願いします。

西島──

お子さまから大人まで楽しんでいただけるコンサートなので、ご家族で足を運んでいただけたらと思います

ぜひ気軽にお越しください。

また今年(2024年)は創立50周年なので、8月開催の定期演奏会も盛大におこなう予定です。定期演奏会では、倉敷にゆかりのあるピアニストの牛田智大(うしだ ともはる)さんにも出演していただきます。

さらに11月にはトヨタさんとタイアップし、ダンスとオーケストラのコラボレーションコンサートも開催予定です。

プログラムの詳細は、倉敷管弦楽団のホームページをチェックしてみてください。

今年限定の演奏会にもぜひ来ていただけたらと思います。

おわりに

筆者は普段の生活でクラシック音楽を聴く機会がほとんどなく、今回の取材で初めてオーケストラについて詳しく教えてもらいました。

とくに印象に残っているのは、吹奏楽とオーケストラの違いです。
吹奏楽はほとんど管楽器や打楽器で構成されるのに対し、オーケストラにはそこに弦楽器が加わります。
オーケストラは楽譜に指定された楽器やパートに合わせて、演奏する人員を調整し、それぞれの楽器の音が活かされるように演奏するそうです。

今回のコンサートは、まさに各楽器の音を体感するぴったりな機会だと思いました。

ぜひ親子で生のクラシック音楽、そして窓ぎわのトットちゃんの世界観を楽しんでみてください。

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