ノボノルディスクの親会社、今年インドに事業所開設へ

Jacob Gronholt-Pedersen

[コペンハーゲン 12日 ロイター] - デンマーク製薬大手ノボノルディスクの親会社、ノボ・ホールディングスのカシム・クタイ最高経営責任者(CEO)は12日、ロイターのインタビューで、今年インドに事業所を開設する計画を明らかにした。イノベーションと成長する医療市場を開拓する。

同社の2023年末時点の運用資産は1490億ユーロ(1630億ドル)と、前年の1080億ユーロから増加した。同社は生命科学分野と、株式、債券、不動産への資本投資で170社からなるポートフォリオを運用。販売額が大きい肥満症治療薬「ウゴービ」と糖尿病薬「オゼンピック」のメーカー、ノボノルディスクからの収入も急増している。

ノボ・ホールディングスは21年にシンガポール、22年に上海にそれぞれ事業所を設立しており、今年ムンバイに事務所を開設する計画だ。

クタイ氏は今後5年にわたりアジアで毎年3億─5億ドルを投じるとする方針を示した。

同社は既にインドの民間病院チェーン、マニパル・ホスピタルズとレントゲン、コンピューター断層撮影装置(CT)、超音波画像の読み取りを専門とする新興企業Qure.ai(キュア・ドット・エーアイ)などに出資。また中国を拠点とする4社と東南アジアの3社にも資金を振り向けている。

クタイ氏は「膨大な人口、医療を求める中産階級の拡大、医療の提供に力を入れる政府を持つこれらの国々がますますイノベーションの源泉になっており、わが社にとって非常に重要な市場になる」と強調した。

同社の昨年の総利益は310億デンマーククローネで、このうち190億クローネがノボノルディスクとバイオテクノロジー会社ノボネシスの所有権から、130億クローネが投資先企業からの利益だった。

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