副市長不在で新年度か 空転続いた和光市議会、「後任」副市長の選任議案、13人が反対で不同意

和光市役所=埼玉県和光市広沢

 埼玉県和光市議会(富沢啓二議長、定数18)は11日、3月に任期満了を迎える大島秀彦副市長の後任として、元総務省職員で三井住友信託銀行法人担当アドバイザーの諸戸修二氏(58)を選任する人事議案を賛成少数で不同意とした。市執行部は副市長不在のまま、新年度のスタートを強いられそうだ。

 同市3月議会は元保健福祉部長の詐欺事件に絡む大島副市長に対する監督責任などを問う辞職勧告決議をめぐり、同副市長が議会に出席したことに反発した議員らが議場を退席したため、初日の2月22日から審議に入れず空転。双方の協議は難航していたが、議員らが審議に応じたため、本会議は今月7日、再開した。

 同議会事務局によると、11日は2023年度一般会計補正予算案や副市長の選任を求める同意議案を先決で審議。採決の結果、同補正予算案は可決されたものの、副市長の選任議案は辞職勧告決議に賛成した議員13人が同意に反対したため、不同意となった。

 反対した市議の1人は「市長は副市長の管理監督ができておらず、副市長に何も行っていない。真摯(しんし)に議会と対話してほしい」と理由を説明。これに対して、柴崎光子市長は「不同意は大変残念。副市長が不在となる期間は、より一層職員一丸となって市政を運営していきたい」とコメントしている。

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