最後の卒業式 思い出が詰まった学び舎に別れ 伝統は柵原学園へ/岡山・美咲町 

来年度4月に義務教育学校・柵原学園が開校するのに伴い、本年度末で閉校する柵原中学校=岡山県久米郡美咲町=で12日、最後の卒業式が開かれ、卒業生28人は思い出が詰まった学び舎(や)に別れを告げ、巣立っていった。

式では在校生60人と保護者や教職員らが見守る中、担任の重信謙太教諭を先頭に卒業生が入場。新免道明校長が一人ひとりに卒業証書を手渡した後、「君たちの軌跡は柵原学園の礎になる。これからは失敗を恐れずに自ら選んだ道、大きな夢や目標に向かって挑戦や努力を続けてほしい」とはなむけの言葉を贈った。

式辞を述べる新免校長

在校生代表の2年・逢坂琉希君は運動会といった学校行事での出来事を振り返りながら、「みなを励ましながらリードしていく姿に優しさを感じ、心強く思った。先輩たちと過ごした日々は宝物。柵原中学校の伝統は柵原学園へと受け継いでいく」と送辞。卒業生を代表して前生徒会長の河本有真音さんが「楽しかったことや悔しかったこと、すべてが大切な思い出。柵原の人たちの温かさの中で成長させていただいた。最後の卒業生として旅立てることを誇りに思う」などと保護者や教員、下級生らに感謝の言葉を述べた。

卒業生の堀恵一郎君と富山勇人君は「46年間の歴史の最後を飾るため『きちんとしないといけない』とクラスで団結して取り組んできた」「仲間の大切さを実感し、学んだ3年間だった。将来は人のために頑張っていきたい」と話していた。

式典で別れの歌を歌う卒業生

同校は1978年に双和中学校と吉岡中学校が統合して開校し、2005(平成17)年の市町村合併により、柵原町立から美咲町立に変更。創立から延べ3130人の生徒を送り出した。建物の老朽化や災害時の安全確保、時代に合った教育課程の展開など、今後を見据えて同校と柵原西、柵原東小学校の統合と校舎の移転が決まった。

在校生と教員たちに見送られる卒業生

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