愛猫に『介護』が必要になるとき こんな行動が見られたらサポートしてあげたい4つのこと

老化のサインを読み取って愛猫のサポートを

どんな猫にも老いは必ず訪れます。健康な猫でも高齢期となる10歳くらいから徐々に体の機能が衰え、さまざまな老化のサインがあらわれます。

老化にともなって体が不自由になっていきますが、人間が手を貸してカバーしてあげることで生活の質(クオリティー・オブ・ライフ)を維持できます。

高齢の猫にあらわれる代表的な老化のサインと、サポートするためにするべきことについて説明していきます。

1.老化で落ちた食欲を回復させるひと工夫

歳をとると基礎代謝が低下し、運動量が減ってお腹が空かなくなるため食欲が落ちます。運動しないうえに食べる量が減るのですから、体はどんどん衰えてしまいます。

食が細くなってきた、太ももなどの筋肉が細くなったと感じたら、猫の食事を見直してみましょう。

少ない量でも十分な栄養を摂取できるシニア向けのキャットフードに変えるほか、食欲を刺激する工夫をするのもおすすめです。

たとえば、フードを温めて香りを立たせる、ぬるま湯でふやかして柔らかくする、好物をトッピングするなどの工夫によって落ちた食欲を回復させられるかもしれません。

2.弱った足腰でも出入りしやすいトイレを

猫がトイレ以外の場所で排泄する失敗が増えたならトイレの見直しが必要かもしれません。

歳をとって足腰が弱ってくると、トイレの入り口の縁を乗り越えるのがおっくうになったり、トイレに行くこと自体が面倒になったりするのです。

自力で問題なく排泄ができているのであれば、トイレの入り口にステップを置いて出入りしやすくするほか、寝場所に近い場所にもトイレを設置したりして、足腰が弱った猫にも入りやすいようにしたりといった工夫をすると良いでしょう。

なお1日の排尿の回数が急に増えた場合は、泌尿器系の病気の可能性がありますので、獣医師に相談することをおすすめします。

3.家具などの段差を小さくして登りやすくする

歳をとって足腰が弱るとジャンプ力が落ちてしまうため、キャットタワーや家具の上に登らなくなります。高い場所への登り下りをしなくなると、さらに足腰が弱っていくでしょう。

猫は木の上などから縄張りを見まわして安全を確認したり、獲物を探したりする習性があります。そのため、足腰が弱った猫にも無理なく登り下りできるようにしてあげる工夫が必要です。

猫は高い場所に登れて満足できますし、同時に上下運動で足腰の衰えを防止できますので、健康寿命を延ばす効果も期待できます。

背の低いキャットタワーに買い替える、家具の並びを変えるなどして段差を小さくする工夫をしてみると良いでしょう。

4.安心して寝られる暖かなベッドを用意する

歳をとると活動量が減り、寝ている時間が長くなります。その一方で血行不良や自律神経の衰えから体温調節がうまくできなくなるため寒さに弱くなりがちです。寝ているあいだに冷えないように暖かな素材のベッドを用意してあげると良いでしょう。

また体力が落ちて高い場所に登りにくくなりますので、ベッドの位置を低い場所に変えるなどの工夫も必要です。また外敵から身を守りやすいこともあり、姿を隠せるような場所を好む猫も多いです。

可能であれば猫のお気に入りの場所の何ヵ所かにベッドを設置して、猫が自分で好きな寝場所を選べるようにしてあげると良いでしょう。

まとめ

いつかは訪れる老い。高齢になった愛猫に老化のサインがあらわれたときにすぐに気づいてあげられるように、日ごろから愛猫の行動や体調を把握しておきましょう。

そして介護が必要になったときに適切にサポートができるように、前もって計画を立てて準備しておくことも大切です。愛猫の老後を快適で幸福なものにできるかどうかは飼い主であるあなた次第なのですから。

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