介護現場の省人化につながるランドリー自動搬送システム

石油系原料の商社である株式会社ウメモトマテリアル(東京都千代田区)は、昨年11月に日本国内で本格販売を始めた世界初バキューム式ランドリー搬送システム「ランドリージェット」を3月12日から14日まで東京ビッグサイトにて開催された「ケアテックス東京’24」に出展しました。
14日午後に記者が同社ブースを訪れた時には、数人の介護施設関係者がウメモトマテリアルの担当者から製品の特徴を熱心に聞きながら、製品のデモンストレーションを見ていました。
代表取締役社長の梅本麦人氏は、ケアテックス東京’24の開催期間中、「大きな反響がありました」と語っていました。

介護サービス業界では、労働力不足や労働環境の過酷化が大きく問題となっていて、限られた人員・予算の中でいかに生産性とサービス向上を図っていくかが課題となっています。
こうしたなか、ランドリージェットは、ポート(投入口)が設置されている部屋から洗濯物を洗濯機置き場まで自動で搬送できます。
ポートに手をかざすと、ポートが開き、そこに洗濯物を近づけると、洗濯物はポートへと吸い込まれ、あとは自動で洗濯機置き場へと運ばれていきます(動画参照、動画に出てくる説明者は同社営業部のアノジ・スレスタ氏)。

ポートに手をかざすと、ポートが開き、そこに洗濯物を近づけると、洗濯物はポートへと吸い込まれ、あとは自動で洗濯機置き場へと運ばれていきます

設置は、平屋だけでなく、2階以上の建物にも設置が可能。
これまで洗濯物を運んでいた人員が不要となることから「省人化や生産性向上を図ることができます」と梅本社長は話していました。

希望小売価格は、最大2ポート設置可能な「エクスプレス(最小モデル)」が70万円、最大4ポート設置可能な「スイフト(中型サイズ)」が120万円、最大8ポート設置可能な「プラス(大容量モデル)」が250万円となっています。

ポート(投入口)が設置されている部屋から洗濯物を洗濯機置き場まで自動で搬送できます

ウメモトマテリアルが「ランドリージェット」を日本市場に投入しようとしたキッカケは、梅本社長が2023年に米国の住宅系展示会で、マシンに衣類を投入し、バキュームの力で衣類が吸い込まれるデモンストレーションを初めて見たことです。

梅本社長は日本では米国側へアプローチを開始。当初相手にされませんでしたが、開発者のドリュー氏と話し合いを重ね、交渉を重ねた結果、昨年9月に日本市場に導入され、11月には本格販売が始まったとのことです。

欧米では約3万超の販売実績があり、導入先は介護施設、病院、ホテル、スパ施設、アパレル店、スポーツ施設などとなっています。
日本でも発売開始以来、これまでに6件の販売実績があるとのことです。

◎「ランドリージェット」 オフィシャルサイト:
◎【動画】ランドリージェットとは?

(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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