アクロニスがFOMOに関する調査を実施、テクノロジー業界の実態は?

アクロニスは、FOMOに関する匿名の調査を実施している。

インクルージョンがビジネスに寄与

FOMO(フォーモ、Fear of missing Out)は、取り残されることへの不安を意味しており、テクノロジー業界で働く女性にとってのFOMOは、長年にわたって同業界でインクルージョン(多様性)を受け入れる風土が欠落していた結果であり、そのことがキャリアと個人の両方に影響を及ぼしてきた。

十分な学びや昇進の機会を得られない女性が、数多くテクノロジー業界から脱落しており、不安やパフォーマンスの低下、燃え尽き症候群を経験している。

Women in Tech Networkが行った調査によれば、米国において経営幹部に女性が占める割合は25%、リーダー職全体の5%にすぎない。また、マネージャーに昇進した男性100人に対して、女性は87人にとどまっている。

ほかにも、「女性はテクノロジー業界における労働力の28%」「370万人の女性がテクノロジー業界で働いており、23%が技術部門に従事している」「欧州では、170万人の女性がテクノロジー業界で働いており、19%が技術部門に従事している」「女性トップが率いるスタートアップのうち、資金調達を受けられたのは2.3%」「2022年に解雇された技術者のうち、69.2%は女性」などの調査結果が明らかになった。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックとその経済的な影響は、世界の女性に壊滅的な影響を与えており、Qualtricsが2020年8月に実施した調査によれば、子どもを抱えて在宅勤務をしている男性の34%が昇進を経験したと答えたのに対して、昇進した女性は9%にとどまった。さらに、男性の29%が昇給を経験したと答えたのに対して、昇級した女性は13%と男性と比較して大きな差が生じている。

さらに、テクノロジー業界で働く女性は世界中で「母親ペナルティ」(育児の責任のために女性のキャリアが悪影響を受ける現象)を受けているとされ、Tech Talent Charterが行った調査によれば、2023年にテクノロジー業界を去った女性の40%が「育児」「介護」の重責を理由としていた。

アクロニスでは、3月8日の国際女性デーを含む女性史月間(Women's History Month)を祝って、職場のFOMOを克服するためのバーチャルイベントや、グローバルな女性ネットワークとの地域イベントといった、従業員向けのさまざまな社内活動やプログラムを実施している。

ほかにも、次世代のリーダーを育成するために同社の女性社員の成長、キャリア開発、会社を超えたつながりをサポートする「Women in Tech メンターシッププログラム」や、同社の経営陣がサポートして各国のグローバルネットワークを構築することを目的に、各国でのネットワーキングを奨励。将来のリーダーを見つけ出す手助けをする「#CyberWomen」イベントの実施など、テクノロジー業界の女性が活躍できる環境づくりに取り組んでいるという。

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