福島民報に連載の随筆54編厳選 「つれづれならざる」発刊 福島市出身の歌人駒田晶子さん

発刊した「つれづれならざる」

 福島県福島市出身の歌人駒田晶子さん(仙台市)は11日、書籍「つれづれならざる」(福島民報社)を発刊した。福島民報で連載している随筆「つれづれ歌日記」をまとめた。

 2005(平成17)年から月1回のペースで掲載し、今年2月で236回となった連載から、54編を選んだ。東日本大震災前の掲載分から編んだ1章、震災以降の2章の構成にした。各回掲載時に詠んだ短歌を目次としている。

 連載を始めた際にまだ歩いていなかった長女は家を出て一人暮らしをし、連載中に生まれた次女と三女は駒田さんよりも背が高くなった。連載開始からの時の流れと、心の変遷を感じさせる一冊になっている。連載当初から半年交代で挿絵を担当している福島市出身の映像クリエーター丹治匠さん、二本松市出身の画家斎藤真実さんの作品も収録した。

 四六判、188ページ。税込み1980円。民報印刷の制作・印刷。県内の一部書店、福島民報社本社で購入できる。福島民報社郡山本社、支社支局、福島民報販売店などで注文を受け付けている。問い合わせは福島民報社出版部(平日午前10時~午後5時) 電話024(531)4182へ。

■駒田さん「形になりうれしい」

 駒田さんは発刊に際して福島民報社の取材に答えた。連載は子どもにまつわる話題が多くなっているとし「未来へ開かれていくものに対する視点が生まれた。(書籍という)形になりうれしい」と話した。

 ―連載から掲載回を厳選した。

 「子育ての話題の間に別の話題を扱った回を入れるなどして、違和感がないようにした。振り返ると子育ては思うようにならないということを実感している」

 ―短歌を目次にした。

 「書いた文章と短歌を詠んだ気持ちがリンクしている。連載を始めてから、分かりにくい短歌を作らないようにしている。読んでいただけるような歌を作る筋肉は付けていきたい」

 ―長期連載になった。

 「こんなに長く続くとは思わなかった。読んでいただける方を意識している。これからも自分から見える、身近に感じられる社会について書いていきたい」

書籍化の思いを語る駒田さん

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