システムに頼りすぎると気づけない? 無断転載と引用の違い

3月13日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーは「無断転載」について語り合った。2月29日、NewsPicksが新聞社など報道機関の写真を無断使用し、著作権を侵害していたことを発表、謝罪に至った。

西川あやの「(NewsPicksの無断転載の件について)石戸さん、ネットメディアとしてはどうですか?」

石戸諭「いつか起きるだろう、と思っていた感じです。彼ら、勝手に集めるんだもん。インターネット上で、コンピューターのシステムを使って、ニュースを勝手に集めていく、というサービス、アプリが広まった。ニュースを集めて分類までやってくれる。見出しを使う分には『著作権の……』とはなかなか言えないけど、写真とかになると話は別。新聞のサイトに上がっている写真とかも、システム的に自動的に取り込んで分類する。そういうシステムに頼って分類するというやり方は、いつかこの手のトラブルが来るだろう、と」

西川「なるほど!」

石戸「新聞社やテレビ局側も言わなきゃいけないことですよ。そのために民放連、新聞協会などがあるわけだから、声明出していればよかったのに、とも思います」

西川「人のチェックだと気づけないんですか?」

石戸「人のチェックがないから。アプリで集めてくるから。もちろん管理する人もいるし、NewsPicksは記者も抱えている。でも気づけなかった」

永井玲衣「しめしめ使ってやろう、ではなく、システムのうっかり、みたいな?」

石戸「まあそういう仕様にしていたので。ただそういうトラブルが起きることは想像に難くなかったというか」

よく議論もされる「無断転載と引用の違い」についても石戸が解説した。

石戸「引用っていうのは『自分の書きたいことがありました、自分の文章なりを書きました』という中で、たとえば永井さんがこういうことを言っていました、と僕の原稿で(書く)。それはどこで、とも。学術論文ならちゃんとルールもあるし、学術論文までいかなくても書籍の中で書いていた、Twitter(X)に書いていた、というのを明示する」

西川「URLを張る、最後に引用文献としてタイトル、出版社を載せる……」

石戸「載せる。それはあくまでこっちがメインじゃん。自分の文章がメインである、自分が言いたいことがあります、というのを分量上でも示す。引用もしっかり明示しなきゃいけない。引用が多すぎてもダメでしょう」

西川「そういう卒論は怒られますもんね」

石戸「引用文献の量が半分以上になっている、なんてあり得ない(笑)。というようなことなので、『自分が主である』ということですね。転載というのは簡単にいえばパクリだから。それで自分が書いたかのように出す、というのが転載です」

このほか、SNSでも散見される切り抜き動画、有名人やキャラクターの画像、流行中の猫ミームなどについても語り合った。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

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