【リニア】ボーリング調査早期実施へJRが静岡県などに説明する意向…知事「説明待ちたい」慎重姿勢崩さず

リニア新幹線の工事をめぐりJR東海がボーリング調査の早期実施に向けて、静岡県などに説明するとしていることについて、13日、川勝知事は「説明されるべき筋のこと」と話し、慎重な姿勢を崩しませんでした。

(静岡県 川勝知事)

「(流域市町との)総意ならトンネルを掘っていいと(JR東海が)受け止めているところがやや危険」

リニア工事のボーリング調査をめぐり、13日もJR東海の姿勢をけん制した川勝知事。リニア新幹線をめぐっては、トンネル工事に伴う大井川の水量減少や環境への影響を懸念し、県は静岡工区の着工を認めていません。

2月25日に行われたJR東海と大井川流域市町の意見交換会で、流域市町が要望したのが、ボーリング調査の早期実施でした。

(島田市 染谷市長)

「ボーリング調査について早く着実に進めてほしい。流域の総意です」

ボーリング調査は、工事区間の地質や地下水について調べるため、先端が直径12センチの穴を掘るもので、調査は、山梨県から静岡県境に向けて行なわれますが、県は県境付近にある「もろい地質」が山梨側とつながっていて、穴を掘れば「水が流れ出る可能性がある」と指摘。県に山梨側での調査を止める権限はありませんが、反発を続けています。

影響を調べるための調査を認めない県に対し、大井川の流域市町は、田代ダムが2月から改修工事に入り、大井川から山梨県側に取水されなくなることから、例年より水量が保たれる2025年11月までの工事期間内に、ボーリング調査を実施すべきと主張。

JR東海の丹羽社長も「流域市町と同じ気持ち」などと話し、ボーリング調査の早期実施に向けて、県や流域市町に説明する意向を示しました。

(JR東海 丹羽 俊介 社長)

「静岡県内のボーリングを早期に実施することで、地質や湧水の状況を把握し、結果を公表することが、流域の関係者の安心につながる思いは、JR東海としても流域8市2町の皆さんと同じ気持ち。静岡県や他の利水関係者の方々に説明をしたい」

これを受け、13日の会見で川勝知事は「JR東海からの説明を待ちたい」としつつ、ボーリング調査の実施について、慎重な姿勢を崩しませんでした。

(静岡県 川勝知事)

「説明を待っている段階。説明をされるべき筋のこと。水がたまっているところに穴をあけるので何が起こるか分からない。東電が(田代ダムの)工事している間はトンネルを掘っていいと単純なかたちでJR東海は受け止めている」

その上で、4月に開かれる予定の、県の専門部会で、ボーリング調査について議論する考えを示しました。

© 株式会社静岡第一テレビ